セレクトショップで見かけるオリジナルブランド、いわゆる「セレオリ」。なんとなく安くて手軽に買えるけど、SNSでは「セレオリはダサい」「買わないほうがいい」といった声も多く見かけます。
では実際のところ、セレオリって何なのか?ホントにダサいのか?なぜ「ダサい」と思われるのか?
この記事では、セレオリの基本的な意味から、ファッションブロガー目線で見た課題点、そして代替ブランドの選び方までを深掘りして解説していきます。
ファッション初心者の方でも理解しやすいように、専門的な知識はできるだけ噛み砕いてお伝えしますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
それでは早速見ていきましょう。
セレオリとは?意味と定義をわかりやすく解説
セレオリの正式名称と由来
「セレオリ」とは、「セレクトショップ・オリジナルブランド」の略称です。有名なセレクトショップが、自社で企画・デザイン・製造までを手がけて展開しているブランドラインのことを指します。
たとえば以下のようなものが挙げられます。
日本の有名セレクトショップ一覧
- UNITED ARROWS
- BEAMS
- BAYCREW’S(EDIFICE・JOURNAL STANDARD・IENAなど)
- EDIFICE
- TOMORROWLAND
- URBAN RESEARCH
- SHIPS
- STUDIOUS
- UNITED TOKYO
- nano universe
- FREAK'S STORE
そもそも、このようなセレクトショップは、「さまざまなブランドのアイテムをセレクト(選んで)して、自分のお店で販売する」という業態です。ですがそれとは別に、自分たちでも服を作って売っています。これがセレオリです。
ただ、多くの場合、こうしたセレオリブランドは「OEM(Original Equipment Manufacturer)」と呼ばれる外注生産が多く、ブランド独自の創造性や革新性よりも、コストパフォーマンスや量産性を重視した設計になっている傾向があります。
セレオリってホントにダサいの?
結論からいうと、一律に「ダサい」という表現は正確ではないと思います。ただし、基本的にはクオリティの低いものが多いのが実情です。
ここを理解するには細かく説明が必要なので、誤解しないように最後まで読んでください。
「セレオリはダサい」という意見
「セレオリはダサい」という意見は、一定数存在します。
@hyugakoike セレオリはもうダサいし高いしで最悪だねー
— b (@wolfgang_booh) January 26, 2014
セレショがダサいとは思わんけどセレオリはダサい
— セラ (@cellarz_msk) March 16, 2015
- 「どこにでもいる大学生って感じ」
- 「セレオリ着てる人って無難すぎておもしろみがない」
- 「着てて恥ずかしいほどではないけど、オシャレって感じもしない」
こうした「なんとなく物足りない」「垢抜けない」といった印象が、「セレオリ=ダサい」というイメージを広げている要因になっています。
ここで大切なのは「なぜそう思われてしまうのか?」という本質的な部分です。その理由を2つの視点から掘り下げてみます。
セレオリがダサく見える2つの理由
① デザインに独自性がない
セレオリの多くは、ベーシックなデザインを採用しています。これは「多くの人に売れること」を第一にしているため。逆にいえば、強い個性や尖ったデザイン性は避けられる傾向にあるということです。
たとえば、AURALEEやstein、YOKEのようなドメスティックブランドには、プロのデザイナーによる世界観やストーリー性があります。
それに対しセレオリでは、トレンドのアイテムを「それっぽく」仕上げた無難なシャツやパンツ。見た目はまとまっているけど、よく見ると他ブランドの焼き直しだったりする場合も少なくありません。
結果として、ファッション上級者や敏感な人から見ると「またこの系統か…」「モノとしての魅力が薄い」と感じられてしまい、「ダサい」という印象につながりやすいんです。
② 低品質なものが多い
ファッションブランドは、大きく分けるとラグジュアリーブランド・デザイナーズブランド・セレオリ・ファストファッションの4つに分けられます。
それぞれの特徴を簡単にまとめると以下のとおり。
ブランドの種類 | ブランド例 | 価格 | 品質(素材・縫製など) |
ラグジュアリーブランド | ルイ・ヴィトン、エルメス、グッチ | 非常に高い | 最高級 |
デザイナーズブランド | コムデギャルソン、メゾンマルジェラ、オーラリー | 高い | 高級 |
セレオリ | ユナイテッドアローズ、ビームス、ジャーナルスタンダード | ふつう | 微妙 |
ファストファッション | ユニクロ、ザラ、ギャップ | 安い | 幅広い |
注目すべきなのは、セレオリとファストファッションの価格と品質(素材や縫製)です。セレオリの品質はファストファッションと大差ないのにもかかわらず、値段は高めなんです。
これが、「セレオリは買わないほうがいい」といわれる理由につながります。次の項で詳しく見ていきましょう。
「セレオリは買わない方がいい」と言われる本当の理由
セレオリは、手頃な価格・買いやすいデザイン・ショップ店員の安心感などから、初心者が最初に選びがちなラインです。ただ、ここに落とし穴があります。
実際に買って感じた「微妙だったポイント」とは?
僕自身も、昔セレオリを何度も購入してきた経験がありますが、正直、今では全く着なくなりました。
なぜか?主な理由は以下のようなポイントです。
- 洗濯を繰り返したらすぐヨレた
- 着心地があまりよくない
- 着ていてテンションが上がらない
これは、見た目ではわからない素材の質感や縫製の甘さ、細かなディテール設計などが原因です。つまり、「パッと見はいいけど、着続けるうちに粗が見えてくる」というのが、セレオリの大きな弱点とも言えます。
セレオリとファストファッションの違い
セレオリとファストファッションの違いをさらに詳しく見ていきましょう。
項目 | セレオリ | ファストファッション |
ブランド性 | 中(セレクトショップの名がつく) | 低め(価格重視) |
デザイン性 | トレンドを追うが個性は控えめ | ベーシック中心で機能的 |
価格帯 | やや高め(6,000〜15,000円程度) | 安価(990〜5,000円程度) |
素材・品質 | ピンキリで見極めが難しい | 機能性素材に定評あり |
世界観 | 明確ではないことが多い | 明確なブランド戦略あり |
結論として、「なんとなく」セレオリを選ぶくらいなら、ユニクロの高機能ラインを選んだ方が満足度が高いケースも多いです。もちろん、セレオリにも優れた商品はありますが、「なんとなく買い」には注意が必要です。
セレオリとユニクロとの違いは?
ユニクロは自社製品のみを取り扱う製造小売業(企画から製造、販売までを自社で一貫して行う)ブランドです。一方、セレクトショップは他ブランドのアイテムも取り扱いながら、一部だけ自社オリジナルのラインを展開しているという違いがあります。
また、ユニクロはグローバル規模で高機能素材の開発を行い、素材と品質に強みがありますが、セレオリはあくまで「セレクトショップの延長線で作られた手頃なライン」であることが多く、品質や素材の科学的な裏付けはユニクロほど明確でない場合も多いです。
セレオリの代わりに買うべき!おすすめジャンル3選
セレオリは「無難で便利」な反面、どうしても個性や満足感に欠けがち。そんな人にこそ試してほしいのが、「セレオリの代替」として圧倒的におすすめな3つのジャンルです。
価格帯やテイストは違えど、いずれもファッションをもっと楽しめる魅力に溢れた選択肢。「おしゃれに興味を持ち始めた」「自分に合った服を見つけたい」そんな人の新しい一歩にぴったりです。
① デザイナーズブランド|デザインも品質も、妥協なしの一着を
「せっかく買うなら、本当に良い服を着たい」。そんな想いがあるなら、デザイナーズブランドが圧倒的におすすめです。
価格はセレオリに比べてグンと高くなりますが、その分デザイン・シルエット・素材・縫製・細部のこだわりまで、一切の妥協がないのが特徴。着るだけで「スタイルが決まる」「シンプルでも雰囲気が出る」など、服そのものの説得力がまるで違います。
また、シーズンやコレクションごとに打ち出される世界観やコンセプトも魅力の一つ。「服を選ぶ楽しさ」や「自分らしさを表現する感覚」がセレオリでは味わえないレベルで手に入ります。
アウトレット・セールを活用すれば、セレオリ+αの価格で手に入ることも。長く使える服が多いので、むしろコスパが良いと感じる人も少なくありません。
デザイナーズブランドについて詳しく知りたい方は、以下の記事で徹底解説してるので、ぜひ参考にしてください。
【お金がない人向け】中古で手に入れるコツも紹介
「いいブランドが欲しいけど、正直そんなにお金をかけられない…」という人には、
上手く活用すれば、新品のセレオリよりもはるかに満足度の高い買い物が可能になります。
② ヴィンテージ・オールド古着|一点物感と抜群のコスパが魅力
「人と被りたくない」「雰囲気のある服が好き」な人におすすめなのが、ヴィンテージやオールド古着という選択肢。
たとえばポロラルフローレン、リーバイス、チャンピオンなどは、古着市場でも人気が高く、品質・雰囲気・コスパの3拍子が揃った鉄板ブランドです。
特に80年代~90年代の古着には、現代の服では再現できない風合いや色落ち、ゆるさがあり、着るだけでこなれ感が出せます。
また、当時のものは縫製や素材がしっかりしているものが多く、「10年以上着られる」といったタフさも魅力です。1点ものである分、「自分だけの一着」として愛着も湧きやすいのも古着の強み。
価格もセレオリと同程度〜安いものが多いので、おしゃれの幅を広げつつコスパも追求したい人にぴったりです。
ヴィンテージやオールド古着のブランドについて詳しく知りたい方は、以下の記事で徹底解説してるので、ぜひ参考にしてください。
③ ユニクロ・ジーユー|量産型の域を超えた高品質ファストファッション
「手頃な価格で、それなりに見える服が欲しい」。そんな人には、ユニクロ・ジーユーが最強の選択肢になります。
同じファストファッションの中でも、ユニクロ・ジーユーは素材や縫製の品質が群を抜いて高いのが最大の特徴。実際に触ってみると、生地の選定や表面の仕上がり、シルエットの完成度に驚く人も少なくありません。
さらに、世界的ブランドやデザイナーとのコラボも定期的に実施しており、ファッション好きも注目するハイレベルなアイテムが揃います。
UNIQLOの主なコラボ歴
- JIL SANDER(+J)
- LEMAIRE(UNIQLO U)
- クレア・ワイト・ケラー(UNICLO: C)
- Mame Kurogouchi
- JW Anderson
GUの主なコラボ歴
- UNDERCOVER(UG)
- rokh
- MIHARA YASUHIRO
「とりあえず失敗したくない」「ベースアイテムを揃えたい」という場面では、ユニクロ・ジーユーはセレオリ以上に頼れる存在です。
それでもセレオリにはメリットもある
「セレオリ=ダサい」という意見がある一方で、ポジティブな側面を冷静に整理することも大切です。ここでは、セレオリにある隠れたメリットを考察していきます。
「セレオリはダサい」はおしゃれな人の意見?
セレオリがダサいという言葉の裏には、「(おしゃれさんから見たら)セレオリはダサい」という言葉が隠されている気がします。おしゃれさんというのは世の中ではかなり少数派で、全体的に見ると1割にも満たないです。
つまり、たとえセレオリばかりでコーディネートを組んだとしても、上手く組み合わせていれば9割以上の人がおしゃれと感じるはず。
ただ、おしゃれさんはただ「ダサい」と否定したいのではなく、洋服の深い部分を知っているからこそ、「もっとコスパのいい服はあるよ?」「あえてセレオリを選ぶ必要はないんじゃないの?」と、注意喚起の意味も含めているのではないでしょうか。
初心者にとっては「おしゃれへの入り口」となる?
さらにいうと、初心者にとっては「入り口」として良い選択肢になることもあります。最大のメリットは、手頃にトレンド感を取り入れられるという点です。
BEAMS、UNITED ARROWS、URBAN RESEARCHなどのセレクトショップは、近隣のショップに入っていますよね。そこで展開されているセレオリは、1万円前後で購入できるものが多く、手の届きやすい価格設定になっています。
この価格帯は、「いきなりドメスティックブランドはハードルが高い…」という人にも安心ですし、店舗で実物を見てから買える安心感もあります。
また、トレンドを押さえたデザインが多いので、「今っぽい服が欲しいけど、どこで買えばいいかわからない」という人にとっては「迷わず買える安全牌」とも言えるかもしれません。
すべてが低品質なわけではない
「セレオリがダサい」といっても、すべてがダサいわけではありません。中にはデザインや品質に優れたアイテムも存在します。以下は私物のEDIFICEのシャツですが、結構いい感じです。
ただし、そういったものを見極めるには審美眼が必要になってきます。良いものも悪いものもたくさん触れてきた人だから判断できるものです。さらにいうと、良いものはセレオリでも値段が高いです。それなら、いっそのことデザイナーズブランドを選んだがほうがいいと僕は思います。
参考
余談にはなりますが、セレクトショップの別注シリーズは文句なしにカッコいいです。たとえば、BEAUTY & YOUTH UNITED ARROWS別注のadidasなんかは、抜群にセンスのいいデザインに昇華されていて、僕も大ファンです。
こういった各セレクトショップの別注モデルは毎シーズン展開されるので、ファッション感度の高い人もチェックしてるはず。
おすすめのセレオリブランド4選
どうしてもセレオリから選びたいなら、デザインや品質の観点から考えると、セレオリのハイエンドライン(最高級ライン)から選ぶのがおすすめです。
UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)
ユナイテッドアローズのハイエンドラインは以下のとおり。
ユナイテッドアローズのおすすめレーベル
- UNITED ARROWS & SONS
(メンズ・レディース) - H BEAUTY&YOUTH(メンズ・レディース)
- 6(ROKU)
(レディース) - Steven Alan(メンズ・レディース)
Steven Alan(スティーブンアラン)は、日本ではUNITED ARROWSの傘下にありますが、本来はアメリカのスティーブンアラン氏によるブランドで、セレオリとデザイナーズブランドの中間的な立ち位置です。
BEAMS(ビームス)
ビームスのハイエンドラインは以下のとおり。
ビームスのおすすめレーベル
- BEAMS PLUS(メンズ)
- BEAMS F
(メンズ) - Ray BEAMS(レディース)
- Demi-Luxe BEAMS(レディース)
BAYCREW'S(ベイクルーズ)
ベイクルーズのハイエンドラインは以下のとおり。
TOMORROWLAND(トゥモローランド)
TOMORROWLANDのハイエンドラインは以下のとおり。
TOMORROWLANDのおすすめレーベル
- TOMORROWLAND
MEN, WOMEN
まとめ|「セレオリしか知らない」は、もったいない
ここまで読んで「セレオリ=絶対ダメ」という印象を持った方もいるかもしれません。ですが本当の問題は、「服そのもの」ではなく、それをどう選んで、どう着るかです。
セレオリでも、「シルエットにこだわる」「色の合わせ方を意識する」「小物で変化をつける」など、ちょっとした工夫でおしゃれに見せることは十分可能。逆に、どんなに高級な服でも、選び方や着こなしを間違えればダサく見えてしまいます。
【初心者向け】垢抜けるコーデのコツはこちら
「脱セレオリ」は、おしゃれを楽しむ第一歩
もし今、「なんとなくセレオリを選んでるだけ」「自信を持って服を選べてない」と感じているなら、それはチャンスです。
- 少しだけ予算を上げて「良い一着」を選んでみる
- 古着屋を覗いてみる
- ユニクロのコラボラインにトライしてみる
そんな小さな変化の積み重ねが、「自分らしいスタイル」を作っていく第一歩になります。
セレオリは悪者ではありません。ただ、そこに「工夫」や「意志」が加わるかどうかで、見え方は大きく変わります。ぜひあなたも、「なんとなく」から卒業して、自分だけのスタイルを楽しむおしゃれにシフトしてみてください。
それではまた別の記事でお会いしましょう。