こういった疑問にお答えします。
人気のファッション通販として知られるSHEIN(シーイン)。おしゃれなアイテムが激安価格で買えるとあって、たくさんの人が使っていますよね。でも、Googleで「SHEIN」と検索すると、以下のような恐ろしいキーワードが出てきます。
「SHEIN 危険性」「SHEIN 気をつけること」「SHEIN 発がん性」など、不安になるキーワードばかりですね。でも、具体的にどんな危険性があるのか、よく知らない人もいるはず。
そこで本記事では、SHEINに潜む危険性や、利用するときに気をつけるべきことを徹底解説します。本記事を最後までご覧いただくことで、SHEINを本当に利用すべきかどうか、判断の一助になるはずです。
それでは早速見ていきましょう。
SHEIN(シーイン)とは?
初めに、SHEINについて簡単にご紹介します。SHEINは、世界中で人気のオンラインショッピングサイト。主にファッションが中心ですが、家電、グッズ、家屋用品まで広い商品を揃えています。
(詳しくは『SHEIN(シーイン)とは?なぜ安いのか?激安通販の正体を徹底解剖』の記事で解説しています。)
SHIEN(シーイン)が人気な理由
- とにかく安い
- 商品数やスタイルの幅が豊富
- トレンドをおさえたデザイン
ただし最近は、その便利さの背後にある危険性も指摘されています。
SHEIN(シーイン)で噂されている5つの危険性
「危ない」という話を聞いたら、ちょっと不安になりますよね。ここでは、実際にどんな危険が指摘されているのかをみていきます。
SHEINに潜む危険性
- 安全性の問題(発がん性物質など)
- 情報流出の危険
- 著作権侵害の懸念(パクリ疑惑)
- 労働環境の懸念(過剰労働の噂)
- トコジラミの混入
上記の危険性は、「すべてが確認されている事実」というわけではありません。あくまで「噂程度のもの」も含まれています。
悪いうわさが独り歩きして真実と混同してしまうことはよくあります。それは営業側にとっても消費者にとってもよくありません。どこまでが確認されている事実なのかを伝えるためにも、噂範囲のものも含めて解説していきます。
SHEINで噂されている危険性5選①安全性の問題(発がん性物質など)
実は、SHEINの商品については、過去の調査で安全性に問題があると指摘されたことがあります。その内容を詳しく見ていきましょう。
発がん性物質が検出されたケース
国際環境NGOであるグリーンピースが実施した調査では、以下のような有害物質がSHEINの一部商品から検出されました。
- 靴:非常に高い濃度のフタル酸エステル類(プラスチックをやわらかくするために使われる化学物質)
- 子ども用衣類:発がん性があるとされるホルムアルデヒド
出典:GREENPEACE「人にも環境にも有害ウルトラファストファッションSHEIN」2023-06-30参照
これらはEUの規制値を超えており、安全性に懸念が生じる結果となりました。
商品に許容量以上の鉛が含まれていたケース
2021年、トロント大学の教授による調査で、SHEINの商品に許容量を大きく超える鉛が含まれていることが判明しました。具体的には以下のような結果が報告されています。
- 幼児用ジャケット(許容量の約20倍の鉛を含む)
- 赤い財布(許容量の約5倍の鉛を含む)
出典:CBC「Experts warn of high levels of chemicals in clothes by some fast-fashion retailers」2023-06-30参照
鉛は長期間にわたって摂取すると神経系に悪影響を及ぼす可能性がありますが、日常的な接触ではすぐに健康被害が出るわけではありません。それでも、高濃度の鉛が含まれている商品が市場に出回っていた事実は、消費者として気になるポイントです。
現在の状況は?
上記の調査結果を受け、SHEINは該当する商品の販売を即時中止しました。現時点ではこれらの問題が明らかになった商品は市場に出回っていないため、一定の対応が取られていると考えられます。
ただし、問題が指摘されていない商品が100%安全だとは断言できません。全ての商品を検査するのは現実的に難しく、未知のリスクが残る可能性は否定できません。
ちなみに鉛やホルムアルデヒドは、経皮(肌を通して)の吸収が非常に少ないため、直接的な健康被害はごく稀です。なので、過剰に心配する必要はなさそうですが、心理的な不快感や長期的な健康リスクの不安もあると思います。
出典:厚生労働省「鉛の毒性に関する知見について」「許容濃度の暫定値の提案理由」2023-06-30参照
SHEINで噂されている危険性5選②情報流出の危険
過去にはSHEINでも情報流出の問題が発生したことがあります。具体的には、2018年に642万件分の顧客データが流出するハッキング被害が報告されています。
「顧客データ」と聞くと、クレジットカード番号や住所が漏れたのかと不安になるかもしれません。でも実際には、メールアドレスと暗号化されたパスワードが流出しただけで、クレジットカード番号や銀行情報などの金銭的に重要なデータは漏れていませんでした。この点では直接的な金銭被害は発生していません。
ハッキング被害後のセキュリティ対策
この事件を教訓に、SHEINではセキュリティ対策を強化しています。具体的には以下のような改善が行われました。
- 3Dセキュアの導入:クレジットカード決済時に、追加の認証プロセスを導入。これにより、不正利用のリスクを大幅に減らしています。
- SSL化されたサイト運営:SHEINのウェブサイトはSSL化されており、個人情報が暗号化されています。
「クレジットカードを使うのがなんとなく不安」という人もいるかもしれませんが、SHEINのクレジットカード情報漏えい対策は世界基準を満たしていることを、第三者機関から認定されています。実際、過去にクレジットカード情報が漏えいしたことは一度もありません。
SSL化とは?
SSL化って聞きなじみがないかもしれませんが、簡単にいうと、サイトに入力した情報(名前や住所など)が第三者に盗まれないようにする仕組みです。
たとえば、サイトのURLが「https~」で始まっていたり、ブラウザのアドレスバーにカギマークが表示されていたら、そのサイトはSSL化されています。この仕組みのおかげで、SHEINでの情報流出のリスクはかなり低くなっています。
現在は、セキュリティ面で心配する必要はほとんどないと思われます。
SHEINで噂されている危険性5選③著作権侵害の懸念(パクリ疑惑)
SHEINの商品をチェックしていると、「あれ?これどこかで見たことあるぞ?」って思うこと、ありませんか?実は、SHEINの一部商品にはパクリ疑惑が指摘されています。
過去には有名ブランドから訴訟を起こされたこともあり、これが今大きな社会的議論を呼んでいます。
実際に訴訟を起こしたブランド一覧
- ドクターマーチン(参考:WWD)
- ステューシー(参考:WWD)
- クロムハーツ(参考:FASHIONSNAP.COM)
- H&M(参考:FASHIONSNAP.COM)
- ユニクロ(参考:UNIQLO)
また、ナイキ、エルメス、ルイヴィトン、ロエベといった有名ブランドの商品にも、デザインの類似が指摘されています。これらのブランドは訴訟を起こしていませんが、SNS上では「明らかにコピーでは?」という声も多く見られます。
パクリ商品の社会的な問題
SHEINが販売するパクリ疑惑の商品が増えることで、以下のような社会的問題が懸念されます。
- オリジナルブランドへの経済的打撃:デザイナーやブランドが時間をかけて生み出したオリジナルデザインが模倣されると、正規ブランドの収益が減少します。これにより、クリエイターの活動や新しいデザインの開発が妨げられることになります。
- 消費者の倫理的な問題:知らずにパクリ商品を購入することで、こうした模倣行為を助長する結果になってしまう可能性があります。購入者としても「これって正しい選択なのかな?」と悩む人が多いのではないでしょうか。
- 品質や安全性の不安:模倣品の多くは品質が正規品に比べて劣ることがほとんどです。「見た目は似てるけどすぐ壊れた」なんて声も珍しくありません。
SHEINの商品を購入するリスク
パクリ疑惑の商品を購入すると、以下のようなリスクがあります。
- 品質が劣る:長持ちしない、着心地が悪い、アレルギーの原因になる素材が使われている場合も。
- 周囲からの印象:「パクリ商品を着ている」と気づかれると、ファッションスタイルに対する印象が悪くなることも。
- ブランドイメージへの影響:SHEINを使うことで、模倣行為を支援していると見られる可能性があります。
各ブランドが訴訟を起こしていることからも、一部のデザインをパクっているのはほぼ間違いなさそうです。
SHEINで噂されている危険性5選④労働環境の懸念(過剰労働の噂)
SHEINの商品が驚くほど安価で手に入る背景には、一部で労働環境の問題が指摘されています。その中には、過剰労働や低賃金といった深刻な噂が含まれています。これらの情報は、どの部分が事実として確認されているのか、どの部分が未確認の噂に過ぎないのかを知ることが重要です。
新疆ウイグル自治区の人権問題との関係
まず、中国では新疆ウイグル自治区の人権問題が国際的に大きな注目を集めています。これは、ウイグル人に対する強制労働や虐待が行われているというものです。そして、SHEINの商品に使用される綿が新疆産である可能性が、研究機関の調査で示唆されています(出典:Newsweek「中国発SHEIN、ウイグル「新疆綿」を抜け道使ってアメリカに輸出」2023-06-30参照)。
ただし、SHEINはこれに対し公式に否定しており、自社のサプライチェーンが国際基準を満たしていると主張しています。このため、新疆綿の使用が事実であるかは未確定です。
労働環境の問題
さらに、労働環境についても深刻な指摘があります。以下は一部の報告内容です。
- 1日18時間労働
- 1着あたりの報酬がわずか6円
出典:BISINESS INSIDER「SHEINの製品を作る労働者は1日18時間働き、報酬は1着わずか6円…」2023-06-30参照
これらの報告が事実であれば、労働法違反に該当する可能性があります。実際、SHEINは労働法に違反しているとして、いくつかの国で調査や指摘を受けています。
過剰労働が引き起こす社会的問題
過剰労働の問題は、単なる「企業の内部問題」に留まりません。以下のような社会的影響を及ぼします。
- 労働者の健康被害:長時間労働や低賃金が続けば、労働者の心身の健康が損なわれる可能性があります。
- 倫理的な問題:劣悪な環境で製造された商品を購入することは、その環境を助長する結果につながる恐れがあります。
- 業界全体への影響:他の企業が正当なコストで製造した商品と価格競争になることで、業界全体が不健全な方向に進む危険性があります。
日本では「安ければそれでいい」と考える消費者が多い一方で、「劣悪な労働環境で作られた商品を購入するのは避けたい」という人も少なくありません。消費者の意識や行動が、こうした労働環境の改善に影響を与える可能性があります。
SHEINで噂されている危険性5選⑤トコジラミの混入
「SHEINの商品にトコジラミが含まれていた」という噂が、ネット上で流れています。トコジラミとは小さな昆虫で、人間や動物の血液を吸う習性があります。夜行性でベッドや家具の隙間などに潜んでいることが多いです。
トコジラミの危険性
トコジラミ自体は重大な病気を媒介することは少ないですが、以下のような問題を引き起こします。
- 皮膚トラブル:咬まれた場所が腫れたり、かゆみを引き起こす。
- 精神的ストレス:自宅にトコジラミが発生すると不安感や不快感を感じる。
- 駆除費用の増大:一度繁殖すると駆除が難しく、専門業者による駆除が必要になる場合があります。
トコジラミのリスクは限定的?
この噂は、一部のユーザーの体験談やSNSでの投稿が発端となっています。ただ、これがSHEINのすべての商品に当てはまるわけではありません。さらにいうと、輸送中や保管中にトコジラミが混入する可能性があるため、必ずしもSHEIN側が発端とは限りません。
あくまで特定の商品や地域に限られた問題と考えられます。
SHEIN(シーイン)で気をつけるべき5つのポイント
これまで解説してきた危険性を避けるために、私たちはどのような点に気をつけるべきなのか?それぞれのポイントを解説します。
①安全性面で気をつけること
- 到着後に商品を洗濯する:特に子どもが使用する商品は、使用前に洗濯やクリーニングを行うと安心です。ただし、洗濯だけでは落ちない成分もあるので注意が必要です。
- 肌に直接触れるものは注意する:下着や靴下など、長時間肌に触れる商品は特に注意しましょう。
「安いからいいや」と妥協せず、健康と安全を考えた買い物を心がけることが大切です。
②情報流出で気をつけること
- ユニークなパスワードを使用する:他のサイトと同じパスワードを使うと、万が一流出した場合に他のアカウントも危険にさらされます。
- パスワードを定期的に変更する:これは情報流出があった場合のリスク軽減に有効です。
- クレジットカード情報を保存しない:コンビニ決済やPayPal払いを選べば安心です。Paypalなら、SHEINにクレジットカード情報が保存されることなく、クレジット払いが可能です。
- 購入時はセキュリティの高い環境で行う:公共のWi-Fiを使っている場合は避け、自宅など信頼できるネット環境で利用しましょう。
過去の情報流出事例を受けて、SHEINは対策を強化していますが、それでもオンラインショッピングには基本的な注意が必要です。上記の対策を取れば、安心してショッピングできます。
③パクリ疑惑で気をつけること
- ブランドやデザインのオリジナリティを確認する:気になる商品があれば、元ネタと思われるブランドがないか調べてみましょう。
- 品質を優先する:あまりにも価格が安すぎる商品は品質に問題がある可能性があります。レビューをしっかり確認してください。
- ファッションの意識を高める:自分のスタイルに合ったアイテムを選ぶことが、長く愛せるファッションにつながります。安さだけで判断しないようにしましょう。
これらを意識するだけで、パクリ商品を避ける確率が高まります。
④過剰労働の噂で気をつけること
- 商品の背景を知る:購入を検討する際、その商品がどのような環境で作られたのかをリサーチする習慣を持ちましょう。
- 価格だけで判断しない:値段が安い商品には理由があります。品質や労働環境も含めて総合的に判断することが大切です。
- エシカルファッションを意識する:劣悪な労働環境を避けるため、エシカルファッションブランドや認証を受けた商品を選ぶのも一つの方法です。
SHEINの商品を購入するかどうかは個人の選択ですが、こうした背景を理解することで、より納得感のある買い物ができるのではないでしょうか。
⑤トコジラミで気をつけること
- 到着後すぐにチェック:商品が届いたら、目に見える汚れや虫がいないか確認しましょう。
- 洗濯・清掃:新品の服でも一度洗濯することで、万が一の汚染を防げます。
トコジラミが混入しているリスクは低いですが、念のためチェックしておくと安心です。
結論:SHEINを選ぶべきか否か?
『SHEIN(シーイン)とは?なぜ安いのか?激安通販の正体を徹底解剖』の記事でも解説しているように、SHEINの最大の魅力は「圧倒的な安さ」「商品の豊富さ」「デザイン性の高さ」です。これらをすべて兼ね備えたブランドは他に中々ありません。
特に「安さ」については他を圧倒するレベルです。ファッションを楽しみたいけれど予算に限りがある人にとって、SHEINは魅力的な選択肢ではあります。消費者目線では、「安さこそ正義」と感じる方も多いはずです。
一方で、『SHEIN(シーイン)の服の品質はヤバイのか?購入商品を辛口レビュー』の記事でも触れているように、SHEINの商品の品質には注意が必要です。「安かろう悪かろう」の典型例である場合も多く、購入してすぐに壊れてしまう可能性も考えられます。その場合、結果的に買い直しが必要となり、他のブランドと比べてコストパフォーマンスが悪くなることもあります。
さらに、劣悪な労働環境や著作権侵害といった倫理的な問題も見過ごせません。これらを知った上で購入を決めることが大切です。
SHEINと他のファストファッションブランドの比較
SHEINと主要なファストファッションブランドを比較すると、以下のような特徴が見えてきます。
ブランド | 安さ | デザイン性 | トレンド | 品質 |
SHEIN | ◎ | 〇 | ◎ | × |
ユニクロ | 〇 | 〇 | 〇 | ◎ |
GU | ◎ | ◎ | ◎ | 〇 |
ZARA | △ | ◎ | ◎ | 〇 |
H&M | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
GAP | △ | 〇 | 〇 | 〇 |
この表はあくまで目安ですが、SHEINはトレンド感や安さでは優れている一方で、品質や持続性の面では他ブランドに劣る傾向があります。
最終的にSHEINを選ぶかどうかは個人の自由ですが、SHEINに潜む危険性を知り、他のブランドの魅力と比較した上で選ぶのが賢い選択だ思います。
まとめ:SHEINの利用は慎重になるべきである
最終的に、SHEINを選ぶかどうかはあなたの価値観やライフスタイル次第です。以下のポイントを考慮して、選択を検討しましょう。
- 何を優先するかを明確に:コスト重視なのか、品質重視なのか、あるいは倫理的な観点を大切にするのか、自分の基準を明確にしましょう。
- 他のブランドも視野に入れる:ユニクロやGU、ZARAなど、他のブランドが提供する選択肢と比較することで、より満足度の高い買い物ができる可能性があります。
安さだけを見ると、たしかにSHEINは魅力的に見えるかもしれませんが、全体像を理解した上で判断することが大切です。正直、こういった背景を知る僕としては、SHEINというブランドを推奨することはできません。
ただ、最終的に判断するのは自分自身です。周りの意見に流されず、あなたの考えにしたがって選んでみてください。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
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