こういった疑問にお答えします。
「こなれ感」とは、ファッションの世界で頻繁に使われる言葉ですが、その意味を正確に理解している人は意外と少ないかもしれません。一見すると「こなれた着こなし」とは何も考えずに自然とおしゃれに見えるスタイルを指しますが、その裏には計算されたテクニックやセンスが隠れています。
本記事では、大手アパレル企業のスタイリング業務経験者である僕が、「こなれ感とは何なのか?」の本質を解説し、ファッション上級者が実践している着こなしテクニックを7種類ご紹介します。こなれ感を身につけることで、あなたのファッションがワンランク上がること間違いなしです。
本記事の内容
- こなれ感とは?
- こなれ感をファッションに取り入れるメリット
- こなれ感をファッションに取り入れる7つの方法
ぜひこの機会にこなれ感テクをマスターして、ファッション上級者を目指してください。
それでは早速見ていきましょう。
「こなれ感」とは?
「こなれ感」とは、簡単にいうと「おしゃれ頑張ってます感」がなく、自然におしゃれに見えることです。
たとえば、ジャケットやシャツに革靴を合わせたキメキメのスタイルは、シーンによってはかっこいいかもしれません。でも、気合が入りすぎていて「おしゃれ頑張ってます感」が強く、なんとなく近寄りがたい雰囲気がありますよね。
それに対して、どこにでもあるようなふつうの洋服でも、ちょっとした工夫をするだけで自然におしゃれな雰囲気を演出する人がいます。こういった感じのことを「こなれ感がある」っていうんです。
自然に見えるけど、実はちゃんと考えられてる。そんなおしゃれが「こなれ感」なんです。
ファッション初心者でも真似できるテクがたくさんある
本来「こなれ感」は、普段から自分の服の着こなし方をたくさんチャレンジした結果、到達するもの。自然にこなれ感を出すには、ある程度の経験値が必要です。なので、本当におしゃれな人こそが出せる高度なテクとも言われています。
ただし、ファッション初心者でも簡単にマネできるこなれ感テクもたくさんあります。おしゃれさんが普段から実践しているこなれ感テクを、今すぐにマネできるわけです。
だからこそ、「こなれ感」はテレビやファッション雑誌などのメディアでも注目されています。
こなれ感をファッションに取り入れるメリット
こなれ感を取り入れることでおしゃれ度がアップしますが、なぜか?具体的な理由を解説していきます。
服に着られず「着こなせる」
「こなれ感がある」という状態は、服をただ着ているのではなく「着こなしている」という状態にあります。
いくらおしゃれな洋服を着ていても、それを着こなしているかどうかで印象が全然違ってくるわけです。中には、洋服の存在感に負けてしまい、逆に服に着られてしまっている人も少なくありません。服に着られるとかなり残念な印象になります。
こなれ感をうまく取り入れれば、服に着られることもなく、おしゃれな印象が倍増します。
地味な印象を避けられる
シンプルなコーディネートをしていると、想像以上に地味な印象に仕上がってしまうことがよくあります。そんなときにこなれ感のテクを取り入れるだけで、地味な印象が一転してシンプルで洗練された印象に仕上がります。
地味とシンプルは紙一重なので、シンプルコーデをするときには特に重要です。
「こなれ感」と「抜け感」の違い
「こなれ感」と同じように、よく聞く言葉として「抜け感」という言葉があります。両者は似ているようで全く別物です。
「抜け感」とは、肩の力が抜けたようなリラックス感のことで、キレイめにキメすぎず程良くカジュアルに着崩したスタイルを、抜け感のあるコーデという風に呼びます。
抜け感のメリットなど詳しく知りたい人は、「「抜け感」とは?おしゃれコーデを作る上で必須の抜け感の作り方を徹底解説」の記事で徹底解説しているのでぜひご覧ください。
ファッションの「抜け感」とは?抜け感のあるコーデの作り方を徹底解説
続きを見る
ただし、「抜け感」を作ることが結果として「こなれ感」を出すことにつながることがよくあります。なぜなら、抜け感の取り入れ方とこなれ感の取り入れ方が似ているからです。
次の項で具体例を交えて詳しく解説していきます。
「こなれ感」をファッションに取り入れる7つの方法
ここからは、「こなれ感」を取り入れる方法を具体的に7つご紹介していきます。結論からいうと、以下の通りです。
見出し(全角15文字)
- 袖まくり
- 裾のロールアップ
- ボタンの開閉
- タックイン
- ハズシを取り入れる
- アクセサリーを取り入れる
- ワントーンコーデ
順番に見ていきましょう。
「こなれ感」をファッションに取り入れる6つの方法①袖まくり
こなれ感を出す上で最も定番のテクが、袖まくりをすることです。袖まくりは、言い換えると「着崩す」ことでもあります。この着崩すという行為が、こなれ感に直結するんです。
たとえば以下のコーデを比較してみてください。
【袖まくりなし】の方も悪くはないけど、なんとなく物足りないような気もしませんか?【袖まくりあり】の方を見ると、手首が見えて適度に抜け感が出ており、腕時計がアクセントになっていて、全体的に色気が出ているはず。
このように、ただそのまま着るのではなく袖まくりして着崩すことによって、服のおしゃれな見せ方を知っている、つまり「こなれた印象」が出るんです。
シャツ意外にも、Tシャツ・ニット・スウェット・ジャケットなど、基本的にはどんなトップスでも袖まくりをすることが可能。
「こなれ感」をファッションに取り入れる6つの方法②裾のロールアップ
パンツの裾をロールアップするのも、こなれ感を作り上げる1つの手法です。
方法としては袖まくりと似ていますが、袖まくりは着崩すのに対し、裾のロールアップは「整える」という言い方のほうが近いかもしれません。
たとえば以下の写真を比較してみてください。
【ロールアップなし】の方は、裾が長くて靴が隠れてしまい、なんだかもっさりとして重たい印象を感じますよね。
これはこれで悪くないですが、【ロールアップあり】の方を見るとどうでしょう。裾が調整されたことでシューズがハッキリと見えています。結果として、足元がスッキリと軽快に感じるはずです。ロールアップすることで靴下が見えるので、抜け感としての役割も果たしてくれます。
上記の場合、「ロールアップなし」が必ずしもダメというわけではありませんが、コーディネート全体の印象によってはロールアップしたほうが良く見える「場合がある」ということです。
このように、ロールアップの使い方が上手い人は、足元を綺麗に見せるコツを知っている(こなれている)と判断されます。
ただし、ロールアップは常にやればいいというものでもありません。パンツの種類・シルエット・合わせる靴によっても、ロールアップすべきかどうかは変わってきます。一歩間違えると足が短く見えてしまう可能性もあるので、特に短足コンプレックスの方は注意しましょう。
なお、変化球的ではありますが、パンツの裾を靴下の中に入れるというテクもあります。
これはかなり上級者向けで、周りと差をつけれるテクですが、スタイルやアイテムによって合う合わないがあります。場合によっては悪目立ちすることもあるので、注意しましょう。
「こなれ感」をファッションに取り入れる6つの方法③ボタンの開閉
シャツのボタンを開け閉めすることによっても、こなれ感を演出することが可能です。
シャツにはおよそ6~8個のボタンがついていますが、このボタンを全部閉めて着るのか、全部開けて着るのか、それとも少しだけ閉めて着るのか、ボタンの閉め方によって見栄えがかなり違ってきます。
具体的には以下のような種類があります。
- 一番上のボタンだけ開ける
- 上から2~3個のボタンを開ける
- ボタンを全部閉める
- ボタンを全部開ける
- 上から2~4個くらいのボタンを閉める
それぞれ詳しく解説していきます。
一番上のボタンだけ開ける
まずは、シャツの一番上のボタンだけ開けて着るパターン。首回りが楽なので、最も一般的な着こなし方だと思います。決して悪くはないですが、場合によってはありふれた工夫のない印象に見えることもあります。
こなれ感を出すためには、もう少し工夫したい所です。
上から2~3個のボタンを開ける
上から2~3個のボタンを開けるのは、ふつうよりも少し多めにボタンを開けた状態です。この着こなし方は、シャツの下に着るインナーによって印象を大きく変えることができます。
たとえば白Tシャツで抜け感を演出したり、柄物を着てアクセントをつけたり。なので、こなれ感を演出する上ではおすすめのパターンと言えます。
ボタンを全部閉める
ボタンを全部閉めて着るパターンは、「首がきついから避けたい」と思う人もいるかもしれませんね。ですが、ボタンを一番上まで閉めることで上品できちんとした印象を演出することができます。
ビジネスシーンでは当たり前ですが、プライベートであえてボタンを全部閉める行為は、明らかにあえて狙ってやっているので、服の着方にこだわりを感じられます。これが、こなれて見えるわけです。
ただ、合わせ方によっては首が詰まって重たい印象になることもあるので、バランスを見て取り入れましょう。
ボタンを全部開ける
ボタンを全部開けて着るパターンは、シャツをアウター感覚で着こなす方法です。
ボタンを全開すると抜け感がグッと高まるので、おすすめのテクではあります。ただ、それ同時にインナーのセンスを問われるので、難易度が高まります。
シャツとインナーの組み合わせに自信がない人は、あえてやる必要はありません。
上から2~4個くらいのボタンを閉める
一番上のボタンと、下から3つ分くらいのボタンを開けて着るというパターンもあります。この着方は抜け感を演出できるのと同時に、シャツのシルエットが変化するのでアクセントにもなります。
このようにボタンの開け具合を調整している人は稀なので、差別化ができるのもポイント。個人的にはかなり一押しのテクです。
「こなれ感」をファッションに取り入れる6つの方法④タックイン
タックインも、こなれ感を出す上では基本のテクです。タックインとは、トップスの裾をパンツの中に入れること。
タックインをするとどんな効果がるのかは、以下の2枚の写真を見比べると一目瞭然です。
【タックインなし】の方は工夫がない上に、トップスの裾が長くてだらしない印象さえ感じますよね。【タックインあり】の方はメリハリがつき、上品な印象がプラスされ、脚長効果も発揮しています。
これは、タックインのメリットを知った上でできる着こなし方であり、こなれて見えると言えます。
さらに上級テクとして、「前だけタックイン」や「裾の半分だけタックイン」があります。
「前だけタックイン」は、トップスの前だけをタックインして、後ろ側の裾は出すという着こなし方。「裾の半分だけタックイン」は、シャツの裾の半分だけタックインして、もう半分は出して着る方法です。
これをやることで「きちんと感」と「着崩している感」の両方を取り入れることができ、アクセントとして効果的です。
ただ、タックインはやり方を間違えると、逆に足が短く見えてしまう可能性もあります。
タックインの正しいやり方を知りたい人は、「タックインの正しいやり方知ってる?「オシャレ」と「ダサい・足が短い」の明暗を分けるポイントとは」の記事で徹底的に解説しているので、ぜひご覧ください。
「こなれ感」をファッションに取り入れる6つの方法⑤ハズシを取り入れる
ハズシを取り入れることも、こなれ感として有効です。「ハズシ」とは、異なるジャンルのアイテム同士を組み合わせることで、 元の系統から少し外れた印象を作ることです。
たとえば、キレイめなアイテムと相性がいいのは、キレイめアイテムだと思うのが普通ですよね。シャツ×スラックス×革靴のように、キレイめアイテム同士を合わせることでキレイめコーデが出来上がります。
それでも十分おしゃれだとは思いますが、「ありふれている」とも言えます。
ここで、意外性のあるアイテムを合わせると、こなれ感のあるおしゃれなコーデになります。具体例を挙げると以下のような感じです。
- 「シャツ×スラックス」にダッドスニーカーを合わせる
- ジャケットのセットアップにスポーツ系のインナーを合わせる
- ワンピースにスポーティーなサンダルを合わせる
こんな感じで、予想を裏切る組み合わせをすると、おしゃれでこなれた印象になります。
「こなれ感」をファッションに取り入れる6つの方法⑥アクセサリー・腕時計を取り入れる
アクセサリーや腕時計を取り入れるのも、こなれ感を演出するポイントです。
洋服を着こなすだけでも十分おしゃれに見せることは可能ですが、そこにアクセサリーや腕時計をプラスすることで、さらにこなれ感のあるコーディネートに近づきます。
特に、軽装になる春夏シーズンは、洋服がシンプルになるので地味なコーデになりがち。そこでアクセサリーを取り入れるだけで、グッとこなれたおしゃれなコーデになります。
おすすめの腕時計については、以下の記事を参考にどうぞ。
「こなれ感」をファッションに取り入れる6つの方法⑦ワントーンコーデ
ワントーンコーデは、おしゃれで洗練された印象に見えるおすすめのスタイルです。何も意識せずにコーディネートすると、違った色で構成されるのがふつう。だからこそ、ワントーンカラーのコーディネートはこなれ感のあるスタイルに見えます。
ただし、一歩間違えるとのっぺりしてダサく見えるリスクもあります。
ワントーンコーデをおしゃれに着こなすにはコツが必要。決して難しくはないですが、コツを知らないとダサくなる可能性が高いです。
詳しい方法を知りたい人は、『メンズのワントーンコーデ27選!ダサくならないための5つの鉄則』の記事を参考にしてください。
「こなれ感」を取り入れたメンズのファッションコーデ例
ここからは、実際に「こなれ感」を取り入れたメンズコーデの一例をご紹介します。
袖まくりを取り入れたメンズコーデ
デニムシャツの袖をロールアップして抜け感とこなれ感を取り入れたコーデ。
パンツはシャツと同系色のダークネイビーで暗めに合わせつつ、重くならないように白スニーカーでさらに軽快な印象を演出しています。
ボタンを3つ開けたり、タックインして着こなしをアレンジしているのもポイント◎
裾のロールアップを取り入れたメンズコーデ
パステルブルーのニットにインディゴデニムを合わせたグラデーションコーデ。
シンプルな組み合わせなので、地味な印象にならないよう裾をロールアップしてアクセントをつけつつ、ニューバランスのスニーカーを引き立てています。
ボタンの開閉を取り入れたメンズコーデ
古着のストライプシャツに古着のミリタリーパンツを合わせたコーデ。
シャツのボタンを真ん中の3つ以外開けて着ることで抜け感を取り入れつつ、こなれ感を演出しています。
袖まくりしてジャンル違いの上品な腕時計を合わせているのもこなれ感の演出ポイント◎
タックインを取り入れたメンズコーデ
ポロシャツにスノーカモパンツを合わせたコーデ。
パンツとシューズをホワイトでつなげ、ハイウェストでタックインすることで、こなれ感と足長効果を演出しています。
サファリハットも含めて頭から足先まで淡い色味に統一することで、優し気なワントーンコーデに◎
ハズシを取り入れたメンズコーデ
オーバーサイズの白Tシャツとショートパンツを合わせたシンプルコーデ。
カジュアルな印象を崩さず子供っぽくならないよう、ローファーで大人っぽい印象に◎
このようにカジュアルなアイテムの中に上品なアイテムを1点投入するのも、こなれ感テクの1つ。
ワントーンコーデ
全体のアイテムをベージュ系でまとめたワントーンコーデ。
バケットハットのような小物アイテムも同系色にすることで、より統一感とこなれ感がアップします◎
白シャツは抜け感としての役割を果たしつつ、タックインしてコーデにアクセントをつけています。
まとめ:こなれ感を取り入れるとファッションコーデがグッとおしゃれ上級者に近づく
今回のポイントを簡単にまとめておきます。
おさらいポイント
- こなれ感はおしゃれさんが取り入れている上級テク
- 着こなしている感が出て地味になりにくい
- 袖まくり・ロールアップ・ボタン開閉・タックイン・ハズシ・ワントーンコーデがこなれ感のカギ
上級者テクと言われると「自分にできるかな?」と不安に思った人もいるかもしれませんが、結果を見ると意外と簡単なものもあったはずです。
出来るものからでいいので、ぜひ自分のコーデに取り入れてみてください。上手く取り入れることができれば、文字通り3倍くらいおしゃれに見えます。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
こちらもCHECK
-
ファッションの「抜け感」とは?抜け感のあるコーデの作り方を徹底解説
続きを見る
こちらもCHECK
-
短足さん必見!おしゃれで脚長に見えるメンズコーデを組む7つのテク
続きを見る
こちらもCHECK
-
タックインの正しいやり方知ってる?ダサいコーデにならない秘訣とは
続きを見る