秋冬のファッションでよく目にする「コーデュロイ」ですが、「コーデュロイってどんな生地?」「何が魅力なの?」と、意外と詳しく知らない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、コーデュロイの特徴、魅力、歴史、さらには選び方やお手入れのポイントまでをわかりやすく解説します。ぜひ、コーデュロイの世界を一緒に覗いてみましょう。
本記事の内容
- コーデュロイ生地とは?基本情報と歴史
- コーデュロイ生地の特徴と素材の魅力
それでは早速見ていきましょう。
コーデュロイ生地とは?基本情報と歴史
コーデュロイとは、秋冬によく見かける、縦に「畝(うね)」と呼ばれるラインが入った生地のことです。保温性がありながらも通気性が良く、秋冬にぴったりな素材として広く使われています。
コーデュロイの名前の由来には諸説あり、英語の「コード(cord):ひも状のもの」からきている説があります。一方では、フランス語が語源ともいわれています。フランス語で「王様の畝(corde du roi)」という意味を持ち、これは17世紀のフランスでルイ14世がこの生地をとても気に入り、宮廷に仕える庭師に作業着として着用させたことが由来とされています。その後、コーデュロイはイギリスに伝わり、上流階級の間でアウトドア用のカジュアル・ウエアとして愛用されるようになりました。
エレガントなイメージを持っていたコーデュロイですが、1950年代以降、アメリカで「アイビーリーグ」に所属する学生たち、通称「アイビーリーガー」によって広まりました。アイビーリーガーたちは「アイビールック」と呼ばれる、伝統的なアメリカントラッドスタイルを愛し、コーデュロイを日常のカジュアルな装いに取り入れました。これにより、コーデュロイはアメリカンカジュアル(アメカジ)にも派生していき、次第にカジュアルファッションの中で定着していきました。
現在、コーデュロイはエレガントさとカジュアルさを合わせ持つ生地として、多くのファッションスタイルに活用されています。季節感のあるアイテムとして、秋冬ファッションをおしゃれに楽しむための定番素材になっています。
コーデュロイ生地の特徴と素材の魅力
コーデュロイ生地の特徴と素材の魅力を解説していきます。
①保温性に優れている
コーデュロイ生地の最大の特徴は、表面に立体感のある畝があることです。簡単にいうと、ストライプ柄のように縦のラインに織られた生地ですね。この畝があることで凸凹の中に空気を蓄えられる構造になっているので、結果的に保温性が高くなるわけです。
また、コーデュロイ生地はやわらかくて毛羽があるので、その厚みのある生地がより保温性を高めてくれます。まさに秋冬の寒い季節にピッタリの生地となっています。
②季節感を演出できる
コーデュロイは毛羽のある生地なので、見た目からも温かみが感じられます。つまり、秋冬の季節感を演出できるという魅力も備えているわけです。季節感を演出できると何がいいのか?それは、「おしゃれに見せることができる」ともいえますが、どちらかというと「変な服装だと思われない(ダサいと思われない)」のほうが近い表現かもしれません。
たとえば、夏に厚手のニットを着ていると「こいつ暑苦しいな」と思うのは当然ですよね。それと同じく、冬にペラッペラのパンツを履いてると、「この人、温かい服を買うお金ないのかな?」って思われちゃったりします。
なので、季節感を演出できれば、その季節に合ったおしゃれな着こなしができるという利点があるわけです。
③様々なファッションスタイルに合う
コーデュロイは、そのカジュアルな印象と、ベルベット状の光沢感から生まれる上品な印象を兼ね備えています。このため、キレイめスタイルからカジュアル、ストリート、トラッド、アウトドアまで幅広いファッションスタイルにマッチします。特に、大人っぽい落ち着いた雰囲気を出したいときに最適で、カジュアルでも洗練されたコーディネートが楽しめます。
④ワントーンコーデに活かしやすい
コーデュロイの畝は、凹凸のある豊かな素材感を演出してくれるため、ワントーンコーデで特に活躍します。同じ色味でも、コーデュロイの立体感が加わることでコーデに奥行きが出て、一歩先のおしゃれな印象に仕上がります。ワントーンコーデはおしゃれに見える反面、単調になりがちなリスクもありますが、コーデュロイならうまくまとまりやすく、初心者にもおすすめです。
詳しいテクニックは「メンズのワントーンコーデ27選!失敗しないために意識すべき5つのコツとは」の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
⑤スタイルアップにつながる
コーデュロイの縦に並んだ畝(うね)は、ストライプ柄のように縦のラインを強調してくれます。この縦ラインが、着たときに体をスラっと見せてくれる効果があり、スタイルアップにも役立つんです。ストライプほどの強調ではない分、他の柄や生地とも合わせやすいというメリットもあり、さりげないおしゃれが好きな方やファッション初心者にもおすすめです。
コーデュロイ生地のデメリット
これまで解説してきたとおり、コーデュロイには多くの魅力がありますが、実はデメリットもあります。それは、「おじさんっぽい」イメージになりやすいということです。
コーデュロイの畝と光沢感がシックすぎる印象を与えてしまい、「おじさんっぽく見える」と感じられることもあります。特に、色合いやシルエットによっては、野暮ったさが強調され、古風で土臭い印象になってしまうこともあります。コーディネートの工夫で、この点をカバーすることがポイントです。
コーデュロイの代表的なアイテムといえば、コーデュロイパンツですよね。コーデュロイパンツのコーディネートのコツについては、『コーデュロイパンツのメンズコーデ12選!おしゃれな着こなし方を解説』の記事で徹底解説してるので、ぜひ参考にしてみてください。
コーデュロイの種類と特徴
コーデュロイには、畝の太さによって「太畝」「細畝」「中畝」といった種類があります。畝の太さによって印象がかなり違ってくるのが特徴です。畝が太いほどカジュアルでリラックスした雰囲気があり、落ち着いたカジュアルスタイルが楽しめます。反対に、細畝は上品な印象があり、カジュアルシーンだけでなく、オフィスカジュアルなどのフォーマルな場でも使うことが可能です。
畝の太さを判断する方法
畝の太さは見た目で判断すればOKですが、より正確に判断する方法として「ウェル」という単位で表すことも可能。ウェルは「1インチ(2.54cm)間に畝が何本あるか」を表しています。
目安としては、1インチあたりの畝が6本以下の場合は太畝、15本以上の場合は細畝と考えればOKです。
たとえば以下の白と黒のコーデュロイパンツを比較してみましょう。
白のコーデュロイは9ウェル(1インチあたり9本の畝)で、太畝と細畝のちょうど中間に位置しているので、程良い上品さとカジュアルさが感じられます。それに対し黒のコーデュロイは5ウェル(1インチあたり5本の畝)で、太畝に該当するため、カジュアルな印象が強くなります。シーンや好みのスタイルに合わせて選びましょう。
コーデュロイのファッションコーデ例
コーデュロイのアウターを使ったコーデ
ブラウンカラーのコーデュロイアウターは、同系色でまとめると秋冬っぽさが引き立ち、素材の風合いを活かすことができます。重みのある素材なので、サラッとした素材感のアイテムと合わせてあげるとバランスがとりやすいです。
コーデュロイパンツを使ったコーデ
コーデュロイのパンツを使ったコーディネートは、トップスにニットやスウェットを合わせると秋冬らしい装いになります。靴は革靴やスニーカーがよく合い、落ち着いた色味でまとめると大人っぽい雰囲気が出せます。
コーデュロイのお手入れ方法と長持ちさせるコツ
コーデュロイは丈夫な生地なので、長く使える魅力があります。注意点としては、ものによってシワがつきやすい場合があること。コーデュロイ生地のアイテムの上にたくさん洋服を積み重ねていると、いつのまにかシワがついてることもあります。まあ、これは他の生地でも起こりうることなので、特別気を遣うことではありません。
洗濯する際は、ネットに入れて洗うと生地が傷みにくくなるので、ぜひ試してみてください。
まとめ:コーデュロイ生地で秋冬ファッションを楽しもう!
コーデュロイ生地は、保温性が高く秋冬シーズンにはピッタリです。凹凸感のある素材なので、コーディネートに奥行きを与えることができます。初心者でも取り入れやすい素材なので、季節感を楽しみつつおしゃれに差をつけましょう!
それではまた別の記事でお会いしましょう。