- 「革靴ってスーツに合わせるものじゃないの?」
- 「私服に革靴を合わせると、なんか頑張ってる感が出てダサく見えないか心配…」
- 「おしゃれに見せたいのに、逆に浮いてしまったらどうしよう…」
そんな風に感じて、結局いつものスニーカーで済ませてしまう。でもそれって、本当にもったいないことなんです。
なぜなら、革靴は正しく選んで正しく履けば、あなたの私服を「大人のこなれコーデ」に一瞬で格上げしてくれるアイテムだから。そしてそれを知らずに避け続けることは、知らないうちに「おしゃれな可能性」を自分で捨ててしまっているのと同じなんです。
「でも、革靴って難しそう…」と思う方もいるかもしれません。安心してください。実は、革靴初心者でもすぐに取り入れられる「超簡単なコツ」がちゃんとあります。
この記事では、そんなあなたのために、
- 私服に革靴が「ダサく見える」3つの原因とその対策
- 初心者でも間違いなく使いやすいおすすめの革靴ブランド3選
- スニーカー感覚で履ける革靴コーデ実例集
をプロ目線でわかりやすく解説します。
読み終える頃には、「私服に革靴、意外といける。いや、むしろこれから使いたい。」と思っているはずです。
まずは、「なぜ革靴がダサく見えてしまうのか」その理由から紐解いていきましょう。
私服×革靴が「ダサい」と言われてしまう理由
私服に革靴を合わせたときにダサいと思われるケースは、ほとんど決まっています。つまり、それさえわかっていれば「ダサい」は避けられます。なぜそんなミスマッチが起こるのか?理由は以下のとおりです。
理由① フォーマルすぎる革靴を選んでしまっている
最大の落とし穴は、「選んだ革靴がフォーマルすぎる」というパターン。つまり、コーディネートの組み合わせ方以前に、選び方で間違っているということです。
たとえばこんなアイテムを履いていませんか?
- つま先が長くてツヤツヤのストレートチップ
- 結婚式にも使えるような内羽根式のプレーントゥ
- ハイシャイン(鏡面磨き)でピカピカに光った黒の革靴
これらの革靴は、基本的にスーツとの相性が抜群にいい、いわゆる「ドレス度が高い革靴」です。対して、私服はカジュアル度が高い服が多いですよね。つまり革靴と私服の「格」が合っていないということなんです。
たとえば、ピカピカな内羽根式の黒プレーントゥシューズに、ユニクロのカジュアルなチノパンを合わせてしまうと、足元だけやたらとビジネス臭が出て浮いてしまう…という具合です。革靴のツヤ感・フォルムのキレ・色味の深さが、服のラフさやカジュアルさとバランスを取れていないと、どんなに高級な革靴を履いていても「ちぐはぐ」「頑張ってるけど空回り」に見えてしまうんです。
じゃあ、どんな革靴を選べばいいのか?これを解説していきます。
私服に合わせやすい革靴を選ぶ3つのポイント
ポイント①:外羽根式を選ぶ
革靴には大きく分けて2種類の構造があります。それが「内羽根式(うちばねしき)」と「外羽根式(そとばねしき)」です。
この違い、じつは私服に合うかどうかに直結します。
内羽根式とは?
「内羽根式」は、靴紐を通す部分(シューレースホール)が、甲の本体部分に一体化されているタイプの革靴です。凹凸が少なく、すっきりした見た目が特徴。冠婚葬祭やビジネスシーンなど、格式の高さが求められる場面でよく使われます。
ただし、きっちりしすぎている分、Tシャツやデニムなどカジュアルなアイテムと合わせたときに浮きやすいというデメリットもあります。
外羽根式とは?

出典:楽天市場
一方の「外羽根式」は、シューレースホールがアッパー(甲革)の上に重なるように縫い付けられているのが特徴です。そのため、デザインに立体感(=凹凸)が出て、程よくカジュアルな雰囲気になります。
実際、スーツにはあまり使われず、休日用やジャケパンスタイルに取り入れられることが多いです。つまり、私服に自然となじみやすい構造というわけですね。
「私服に合う革靴=外羽根式」と覚えておくと間違いありません。
ポイント②:程よく丸くてノーズが短めのシルエットを選ぶ
革靴の印象を大きく左右するのが、つま先まわりのシルエットです。特に気をつけたいのが、「つま先の形(トゥ)」と「ノーズの長さ」。
細長い=ビジネス用の印象に見られやすい

出典:Amazon.co.jp
つま先が細くてノーズ(つま先から羽根までの距離)が長い革靴は、いわゆるロングノーズと呼ばれるタイプ。このロングノーズはシャープでスマートな印象がある反面、どうしてもビジネスっぽさやドレッシーさが出てしまいます。
逆に、私服に合わせると足元だけ「頑張ってる感」が出てしまうことも…。これが浮く原因です。
ショートノーズ+程よい丸みがベスト

出典:楽天市場
そこでおすすめなのが、「ショートノーズ(短めのノーズ)」で「つま先に程よく丸みがある」タイプの革靴。この組み合わせだと、革靴にありがちなカタさがなくなり、やわらかく親しみやすい印象になります。
丸すぎると逆にカジュアルすぎて子供っぽく見えることもあるので、「程よい」丸みがポイント。
ポイント③:カジュアル寄りのデザインを選ぶ

出典:楽天市場
最後のポイントは、「革靴の種類そのもの」に注目すること。代表的な革靴といえば「プレーントゥシューズ」ですが、それ以外にもたくさんあり、種類によってカジュアル度は大きく異なります。
ここでは、特に私服に合わせやすい代表的な3タイプをご紹介します。
① ローファー
ヒモがないスリッポン型で、脱ぎ履きしやすいのが魅力。カジュアルにもドレスにも合わせられる万能アイテムです。革の光沢やフォルムを選べば、大人っぽくキレイめにも振れるので安心です。
初心者におすすめのローファー
- HARUTA(ハルタ)のコインローファー
:日本製ならではの丁寧な作りが光る一足。1万円以下で買える破格のコスパと、クセのないシンプルな見た目で、学生~大人まで幅広く支持されています。最初の革靴として鉄板。
- G.H.Bass(ジーエイチバス)のLOGAN:ローファーの元祖とも言われる老舗ブランド。適度に丸みを帯びたフォルムで、カジュアルにもキレイめにも合わせやすい万能選手。初めての海外ブランド靴にも最適です。
② チロリアンシューズ・Uチップシューズ
モカシン縫いのUチップシューズや、ぽってりしたフォルムが特徴のチロリアン。自然とカジュアルな空気感が出るため、デニムやワイドパンツと合わせると抜群にハマります。ソールが厚めのモデルが多く、脚長効果や安定感も◎。
初心者におすすめのチロリアンシューズ
- KLEMAN(クレマン)のPADROR
(旧名PADRE):フランス軍や消防士にも採用されている信頼性の高いブランド。チロリアンらしい丸っこいシルエットと分厚いソールが特徴で、武骨さとかわいらしさのバランスが絶妙。1〜2万円台で買える圧倒的コスパも魅力。
③ レザーブーツ
ミリタリーやワークの要素を含むレザーブーツは、男らしさと無骨さをプラスしたいときにおすすめ。特に冬場や秋口には、季節感を取り入れやすいのも大きなメリットです。
初心者におすすめのブーツ
- Dr.Martens(ドクターマーチン)の8ホールブーツ
:パンクカルチャーの象徴として世界中で愛される名作。履くだけで一気にコーディネートが締まり、細身のパンツともワイドパンツとも好相性。1足あれば秋冬の着こなしに大きな武器になります。
- KLEMAN(クレマン)のTONNANT
:無駄のないミニマルなサイドゴアデザインが特徴。革靴とスニーカーの中間のような履き心地で、革靴初心者にも取り入れやすい1足。見た目も合わせやすく、きれいめにもカジュアルにも馴染みます。
私服に革靴をおしゃれに取り入れる2つの鉄則【初心者必見】
革靴の選び方がわかったところで、ここからは私服で革靴をおしゃれに履きこなすための鉄則を2つに分けて解説します。これを押さえるだけで、革靴コーデの失敗リスクをぐっと下げることができます。
鉄則① 適度にカジュアルダウンする
私服に革靴をおしゃれに取り入れる最大のポイントは、「適度にカジュアルダウンすること」。本当にこれに尽きます。
革靴はもともとスーツに合わせるために作られたフォーマルなアイテム。そのため、革靴に他のキレイめアイテムをそのまま合わせてしまうと、どうしてもビジネスライクに見えてしまうんです。
たとえば、「白シャツ×テーラードジャケット×スラックス×革靴」の組み合わせは、ドレスコードのあるレストランなどではきれいに決まりますが、普段着として着てしまうと「え、今日どこ行くの?」「仕事帰り?」と思われてしまう可能性があります。
そこで重要なのが、「抜け感」を作るために革靴以外をカジュアルなアイテムに置き換えることです。
キレイめアイテム | カジュアルアイテム例 |
---|---|
白シャツ | Tシャツ |
テーラードジャケット | マウンテンパーカー、カーディガンなど |
スラックス | デニム、チノパン、カーゴパンツなど |
このように1~2点をカジュアルアイテムに置き換えるだけで、グッと普段着に馴染みやすくなり、かつ上品な雰囲気も残せるバランスの良いコーディネートになります。
鉄則② 色・素材感・季節感を合わせる
もう一つ大切なのが、全体のトーンや素材感、季節感を合わせること。
色合わせのコツ
革靴の色は黒やダークブラウンが基本ですが、服や小物類の色に合っていないとどうしても浮いて見えてしまいます。
- 黒の革靴 → 無彩色なのでどんな色とも相性良し。モノトーンコーデやシックな配色にも好相性
- ブラウン系の革靴 → ベージュ・カーキ・デニムなどナチュラルカラーの服に馴染みやすい
色合わせに迷ったときは、パンツの色に近いトーンの靴を選ぶと失敗しにくくなります。ベルトやバッグなどの小物アイテムと色を合わせると、統一感もアップしてこなれて見えます。
素材感・季節感を合わせる
レザー素材はオールシーズン着用可能ですが、起毛感のあるスエード素材は秋冬らしい雰囲気があるため、季節感を演出するのにピッタリです。このように、シーズンに合った素材選びも意識すると、よりコーディネートが洗練されて見えます。
- 春夏 → ガラスレザーやスムースレザーで軽快に
- 秋冬 → レザーはもちろん、スエード素材を活用して季節感をプラス
初心者でも失敗しない革靴コーデ12選【季節別】
ここでは、革靴初心者でも簡単にマネできる私服コーデを、春・夏・秋・冬の季節別にご紹介します。
春の革靴コーデ
① スウェット × ショートパンツ × ビットローファー
モスグリーンのクルーネックスウェットに白Tを首元からチラ見せし、同系色のショートパンツで統一感と春らしい軽さを演出。足元は白ラインソックス×黒のビットローファーで、アクセントをつけながら、コーディネート全体を上品に格上げ。黒のレザーバッグで引き締めれば、ほどよくこなれた大人の休日コーデに仕上がります。
② ポロシャツ×ロンT×チノパン×ローファー
白のロンTをインナーに仕込んだレイヤードスタイルで立体感をプラス。上下ともベージュ系でまとめたワントーンコーデに黒ローファーを加えることで、コーディネートを引き締めています。春の「ナチュラル×都会的」バランスを意識した好例です。
③ マウンテンパーカー × シャツ × スラックス × チロリアンシューズ
アウトドアな印象のマウンテンパーカーも、白シャツ×黒スラックスと合わせれば一気に街着仕様に昇華。チロリアンシューズの無骨さと上品さが絶妙にマッチし、アーバンアウトドアな革靴コーデが完成。
夏の革靴コーデ
④ シャツ × Tシャツ × ショートパンツ × チロリアンシューズ
上下ブラック系でまとめたオールブラックコーデ。ショートパンツで肌見せすることで、夏でも重たく見えません。ソックスも革靴も黒で統一すれば、足元まで抜かりないモノトーンスタイルに。
⑤ 花柄シャツ × スラックス × ビットローファー
リゾート感漂う開襟の花柄シャツに、白スラックスを合わせて清涼感を演出。足元は黒のビットローファーで締めることで、大人っぽい品格をプラス。上品なアイテムで統一しても、ゆるやかなシルエットで抜け感を加えることで、こなれた雰囲気に仕上がります。
⑥ 白Tシャツ × ショートパンツ × ローファー × 靴下
ベーシックな白Tに、落ち着いたブラウンのショートパンツを合わせた夏の定番コーデ。足元はダークブラウンの靴下×黒ローファーで、シンプルながらも足元に奥行きと陰影を与えた好バランス。腕時計も黒のレザーで統一感をアップさせています。
秋の革靴コーデ
⑦ アランニット × コーデュロイパンツ × ローファー
ブルーグリーンのざっくりアランニットが主役。パンツには温かみのある黒のコーデュロイ、足元は定番の黒ローファーで合わせて色をつなげることで、脚長効果を演出。カラーと素材の秋らしさが際立つ、シンプルながら完成度の高い一着。
⑧ セットアップ × オープンカラーシャツ × ビットローファー × ニット帽
ダークブラウンのセットアップに、ベージュブラウンのストライプシャツを合わせて統一感を演出した、大人の余裕を感じさせる秋の革靴スタイル。巾着バッグは薄いブラウンで、グラデーションになるように意識しています。ベルトを革靴と同じ黒でまとめているのもポイント。
⑨ パーカー × シャツ × ミリタリーパンツ × チロリアンシューズ
オーバーサイズの黒パーカーの裾から白シャツをチラ見せし、カーキのミリタリーパンツを合わせたミックスコーデ。チロリアンシューズが武骨さと上品さを絶妙にミックスしてくれます。
冬の革靴コーデ
⑩ ブルゾン × コーデュロイパンツ × チロリアンシューズ
冬の古着ミックススタイル。ベージュの中綿ブルゾンに、黒コーデュロイパンツでコントラストをつけつつ、黒のチロリアンシューズで重厚感のある足元を演出。古着のラフさと革靴の品格が好バランス。
⑪ ブルゾン × ニット × バンドカラーシャツ × デニム × ローファー
温かみのあるブラウンのコーデュロイブルゾンに、ブラウン総柄のニットを合わせて統一感をアップ。白シャツと白ソックスをチラ見せし、抜け感を演出しています。ボトムスはブルーのテーパードデニムで軽さを出し、黒ローファーで都会的に締めたレトロモダンな冬コーデ。
⑫ ケープコート × タートルネックニット × スラックス × チロリアンシューズ
インパクトのあるブラウンのケープコートを主役に、ダークブラウンのスラックスと黒チロリアンシューズでクラシックにまとめた冬の本命スタイル。ボリューミーなコーディネートですが、革靴の中でも重厚感のあるチロリアンシューズを合わせることで、コーディネートに抜群の安定感が加わります。
よくある質問Q&A|革靴初心者が感じる不安を解決
革靴デビューを考えている方からよく寄せられるのが、「履き心地」や「使いやすさ」への不安。代表的なよくある質問について回答します。
Q. 革靴って疲れないの?街歩きに向いてる?
A. しっかり選べば、街歩きにも問題なく使えます。
革靴=疲れるというイメージを持っている方も多いです。たしかに、ビジネス用の革靴は疲れやすいものが多いですが、プライベート用の革靴は歩きやすいものが多いです。たとえば、チロリアンシューズのようにクッション性があるモデルを選べば、スニーカー感覚で街歩きができます。
Q. 雨の日は履いて大丈夫?
A. 基本的には避けたほうが無難ですが、対策すればOKです。
革は水に弱い素材なので、何も対策をせずに雨天で履くのはおすすめしません。とはいえ、「防水スプレーを事前にかける」「グッドイヤーウェルト製法など、底から水が染みにくいタイプを選ぶ」といった工夫をすれば、小雨程度なら問題なく履けます。
最近では、KLEMANのPADRORのように、ラバーソール仕様の革靴も多く登場しているので、天気が不安な日でも安心して履ける1足を選ぶと◎。
Q. 革靴って季節ごとに履き分ける必要ある?
A. 履き分けると快適ですが、同じ1足を通年使うことも可能です。
革靴は基本的に春夏秋冬すべての季節に使えますが、より快適さを求めるなら季節に合った履き方を意識すると◎。たとえば、春夏はローファーで抜け感をプラス、秋冬はチロリアンシューズやブーツで重厚感のある雰囲気に。
とはいえ、革靴はきちんとケアすれば長く履けるアイテム。まずはオールシーズン使える定番モデルを1足手に入れて、慣れてきたら季節ごとの履き分けに挑戦するのがおすすめです。
Q. 革靴の手入れって大変じゃないの?
A. 最低限のケアだけでも十分。意外と手間はかかりません。
「革靴は手入れが面倒そう…」と敬遠されがちですが、実は基本のケアはたったの3ステップでOK。
- 履いたらブラッシングでホコリを落とす
- 定期的にクリームを塗って保湿
- 雨に濡れたらしっかり乾かす(風通しの良い日陰で)
これだけで、革靴の状態はぐっと長持ちします。特に最近は、オールインワンタイプの革靴ケア用品も多く出ているので、初心者でも迷わず扱えます。
さらに、最初から「雨の日用」「気軽に履く用」と割り切って選ぶ革靴なら、多少のキズも味になるので、神経質になる必要もありません。
ぶっちゃけ僕は、革靴の手入れをほとんどしません。KLEMANのPADRORなんかはほぼ手入れナシでガンガン履いていますが、7年経っても現役です。
まとめ:私服×革靴で一歩先のおしゃれを楽しもう
革靴は選び方と合わせ方さえ押さえれば、私服コーデを簡単に格上げできる万能アイテムです。
最初の一足は、カジュアルにも馴染むデザイン+使いやすい黒 or ブラウンを選ぶのが鉄板。その1足があれば、今日紹介したようなコーディネートもすぐ真似できます。
あなたがこのページを最後まで読んでくれたということは、「もっとおしゃれになりたい」「革靴にチャレンジしてみたい」という気持ちが、心のどこかにあるからだと思っています。
その気持ちを活かさないのは、もったいない。まずは気になった革靴から、チェックしてみてください。革靴の価格は年々上がっているので、今が一番「はじめどき」です。
ローファー・チロリアンシューズのコーディネートについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にどうぞ。
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