ローファーと聞いて、あなたはどんなブランドを思い浮かべるでしょうか。いくつもの名ブランドがある中で、「永遠のスタンダード」とも言われるのが、G.H.Bass(ジーエイチバス)の「ローガン(LOGAN)」です。
ファッション初心者が最初の一足として手にしても後悔しづらく、さらに玄人や本格派たちにも愛され続けるめずらしい存在です。
この記事では、G.H.Bassのローファー「ローガン」を8年間愛用してきた僕が、サイズ感・履き心地・経年変化のリアルなレビューも交えながら、魅力を徹底的に深掘りしていきます。購入を検討している方はぜひ参考にしてください。
それでは早速見ていきましょう。
G.H.Bassのローファー「ローガン」とは?【基本情報まとめ】
「ローガン(LOGAN)」は、G.H.Bass(ジーエイチバス)が誇るペニーローファーの定番モデルです。特徴は、丸みを帯びたクラシックなシルエットと、適度なボリューム感。カジュアルにもドレスにも使える万能さを持ちながら、履くだけで「品の良さ」を演出できる一足です。
ローガンの最大の魅力は、「伝統を守りつつ、現代でも通用するデザイン」にあります。「ローファーの王道」というべき普遍的なデザインのため、流行り廃りに左右されずに履き続けることができます。
王道ブランドは10万円を超える中、G.H.Bassの価格帯は2〜3万円前後と比較的手に取りやすい設定のため、「コストパフォーマンスが高い」ローファーと言えます。
ブランド概要と「ローガン」の歴史
G.H.Bassは、1876年にジョージ・ヘンリー・バスによってアメリカで創業されました。実に150年近くもの歴史を誇る老舗ブランドで、創立年でいえばラグジュアリーブランドのトップと肩を並べるほどです。
G.H.Bassの名を世界に知らしめたのが、1936年に発表された「Weejuns(ウィージャンズ)」シリーズ。ウィージャンズは世界初のローファーとしても知られています。そしてこのシリーズの一つとして誕生したのが、ローガンです。
ウィージャンズはリラックス感とフォーマル感を併せ持ち、特にアイビーリーガーたち(アメリカ東部の名門大学生たち)に爆発的に支持されました。ローガンは、その中でもクラシックな佇まいを色濃く残すモデルとして位置づけられており、今に至るまで「正統派ローファー」の象徴になっています。
過去には、ジョンF・ケネディ大統領、オードリー・ヘプバーンなどの世界的有名人が愛用していました。マイケル・ジャクソンが「スリラー」のミュージックビデオで、G.H.Bassの黒のローファーを履いていたことも有名です。
G.H.Bass「ローガン(LOGAN)」のデザインレビュー
ローガン(LOGAN)の具体的な魅力を深堀していきます。
無駄を削ぎ落としたシンプルデザイン

【G.H.Bass】LOGAN(出典:Rakuten Fashion)
まず注目したいのが、装飾を極限まで省いたミニマルなデザインです。いわゆる「引き算の美学」を体現した一足で、クセがなく、どんな服装にもすんなりと馴染みます。
とくに、ローファーの顔とも言える、甲の部分の「サドル(ベルト状の飾り)」のデザイン。ここはブランドによって個性が出やすい場所ですが、ローガンでは良くも悪くもクセがありません。

「ハーフサドル(サドルの長さが甲の部分だけのデザイン)」仕様を採用(出典:Rakuten Fashion)
ステッチの主張が少なく、全体的にすっきりとした印象を与えてくれます。まさにローファーの王道ともいうべきデザインです。
また、もう一つの顔ともいうべき「モカシン縫い」も、ローガンでは非常に洗練されています。多くの革靴では白やベージュのステッチが使われ、カジュアルな印象を与えることもありますが、ローガンはアッパーと同色のブラックステッチを採用。
これにより、縫い目の主張が控えめで、全体がシームレスにまとまり、一層シックでスマートな印象に仕上がっています。
光沢感のあるハイシャインレザー
ローガンには「ハイシャインレザー」という、ツヤ感のある革が使用されています。ハイシャインレザーとは、革の表面を鏡のように光らせる仕上げ技法のこと。革の質感が自然にツヤめくことで、足元に自然な高級感を加えてくれます。
このような控えめな光沢は、派手すぎず、あくまで上品。スラックスはもちろん、デニムやチノパンなどのカジュアルスタイルにもスムーズに馴染みます。
フォルムの美しさ
ローガンは、甲の高さがやや低めに設計されています。このことで足元がスッキリ見え、スタイル全体がシャープに整うのが大きな特徴です。
たとえば、ボリュームのある靴だとワイドパンツとの相性を工夫する必要がありますが、ローガンのようにスマートなシルエットのローファーなら、パンツのシルエットを選びません。スキニー・テーパード・ワイドなど、どんなシルエットのボトムスとも好相性です。
素材・構造もぬかりなし
インソール(中敷き)は滑らかな質感で、足を入れたときの肌触りも快適。靴底のレザーソールには落ち着いたブラウンカラーが使われており、靴を脱いだときや足元を見られたときにも品のある印象を与えてくれます。
さらに、かかと部分だけにラバーソールが取り入れられているのもポイント。この構造によって、クラシカルなレザーソールの見た目を保ちつつ、グリップ力や歩きやすさも確保されています。
他モデルとの違い(ラーソンとの比較)

【G.H.Bass】LARSON(出典:Rakuten Fashion)
G.H.Bassには、ローガンの他にも人気のローファーモデルとして「ラーソン(LARSON)」が存在します。一見するとそっくりですが、実は両者には明確な違いがあります。
最も大きな違いは、サドル(甲部分のあて革)の作り方です。
- ローガン:シンプルに仕立てられており、すっきりした上品な印象。
- ラーソン:両端をモカシン部分で巻き留めた仕様(通称:ビーフロール)。ややカジュアル感が強い。
つまり、「よりドレッシーで落ち着いた雰囲気を求めるならローガン」「カジュアルで軽快な雰囲気を楽しみたいならラーソン」という選び方ができます。
ここまでで、基礎的な理解はバッチリ深められたかと思います。次のセクションでは、8年以上愛用したからこそ語れるリアルなサイズ感・履き心地レビューを、さらに掘り下げていきます。
G.H.Bass ローファーは本当にきつい?|初心者向けサイズ選び診断チャート
初めてローファーを買う人必見!サイズ選びの基本
ローファーは「サイズ選びが難しい」とよく言われます。その理由は、靴ヒモがないスリッポンタイプだから。足を固定する仕組みがないので、サイズが合っていないと靴が脱げやすくなってしまうんです。
しかもローファーは革靴。サイズがきつすぎると足が痛くなるし、逆に大きすぎるとかかとが浮いてまともに歩けなくなります。つまり、「ちょっときついくらいがベスト」という独特の選び方が求められるわけですね。
では、実際にどう選べばいいのか?結論からいうと、「ジャストサイズ」または「0.5cm下げる」のが基本です。
【重要】ローファー選びはワイズより足長を重視
ローファー選びで優先すべきなのは、ワイズ(横幅)ではなく足長(縦の長さ)です。なぜなら、革は横には伸びても縦には伸びにくいから。
つまり、履いたときに「指が曲がっている」と感じるものはアウト。多少横幅がきつくても、足の指が自然に伸びている感覚があるものを選びましょう。
失敗しないための3つのチェックポイント
ローファー選びで失敗しないために、以下のポイントを必ずチェックしてください。
チェックポイント | 理由 |
足の指がまっすぐ伸びているか | 縦は伸びないため、指が曲がるとずっと痛いままになる |
かかとが浮いていないか | 大きすぎると歩きにくく、靴擦れの原因に |
横幅がきつくても無理にサイズアップしない | 横は履いているうちに革が伸びてフィットする |
G.H.Bass ローガンのサイズ感・履き心地を徹底レビュー
G.H.Bass(ジーエイチ・バス)のローファー「ローガン」で、購入時に一番悩むのが「サイズ感」です。ここでは、実際に履いたリアルな感想をもとに、サイズ選びの注意点を徹底的に解説していきます。
筆者の足の実寸とスニーカーサイズ一覧
まずは僕の足のサイズと、普段履いているスニーカーとの比較表をご覧ください。
ブランド名 | モデル名 | 着用サイズ(cm) |
コンバース | ALL STAR(オールスター) | US9(27.5cm) |
アディダス | STAN SMITH(スタンスミス) | 27.0~27.5 cm |
アディダス | SUPERSTAR 82(スーパースター82) | 27.5 cm |
アディダス | SAMBA(サンバ) | 27.5 cm |
アディダス | GAZELLE INDOOR(ガゼルインドア) | 27.5 cm |
クレマン | PADRE(パドレ:現PADROR) | サイズ42(27.0〜27.5cm) |
項目 | 筆者の足のサイズ |
足長 | 26.7cm |
靴の推奨サイズ(足長から+0.5cm) | 27.5cm |
足幅 | ふつう |
土踏まず | なし(偏平足) |
甲の高さ | 低い |
かかと幅 | 広い |
このように、27.5cmを履くことが一番多いので、ローガンも27.5cm(US9.5)を選びたいところですが、今回はあえてジャストのUS9(27.0cm)を選びました。
理由は、お店のスタッフさんのアドバイスにあります。
歩行中にかかとが浮くと、まともに歩けません。少しキツく感じるくらいでぴったりフィットするサイズを選ぶのが正解です。本革は履くうちに必ず馴染みます。最初は足が痛いかもしれませんが、みんな通る道なので、がんばってたくさん履きましょう。
この意見を信じて、小さめのサイズを選択しました。
最初の履き心地:正直、かなりキツかった
履き始めた当初、正直かなりキツかったです。特に、偏平足の僕にとっては、靴ベラを使ってようやく足を押し込めるレベル。履いてからもしばらくは、長時間歩くと足が痛くなることもありました。
ただ、この「きつさ」にはちゃんと理由があります。
「きつい」と感じる理由と対処法を科学的に解説
ローファーの履き始めは「きつい」と感じることが多いですが、これにはちゃんと理由があります。
まず、ローガンのアッパーにはレザー(天然皮革)が使われています。天然の革は、最初は硬い傾向がありますが、体温と湿度によって徐々にやわらかくなり、足の形に合わせてフィットしていきます。特に、横方向(ワイズ)は自然と革が広がるため、履き込むうちにピタッとした履き心地になっていくんです。
つまり、「最初のきつさ」は、履きならすための通過儀礼なんです。
とはいえ、いきなり一日中履くと痛みが強くなるので、以下の対処法をおすすめします。
- 初期は短時間だけ履く
- 薄い靴下を使って少しずつ革を広げる
- 革靴用のストレッチスプレー
を使う(革をやわらかくする専用スプレー)
このような工夫をすれば、履き馴染みがスムーズに進みます。
フィットするまでの期間と変化の推移
僕の場合、週2回くらいの頻度で履き始めてから、
- 1年目:まだ少しきつく感じる
- 2年目:だいぶ足に馴染むが、長時間歩くと疲れる
- 3年目:完全に自分の足型にフィットしてストレスゼロ
という変化をたどりました。フィットするまでのスピードは履く頻度によって変わるので、頻度が高いほど馴染むペースも早くなるはずです。革が足の形に馴染んでくると、まるでオーダーメイドシューズのような履き心地になります。
クッション性はどう?
実際に歩いてみると、やや地面からの衝撃を感じやすい印象がありました。これは、アウトソールがレザー製だから。クッション性はそこまで期待できないと思ったほうがいいです。
とはいえ、全体にラバーソールを使っているタイプの靴でもない限り、これは一般的なローファーと同じ。ローガンだけが特別に硬いわけではありません。
レザーソールは「返りが良くてエレガントな見た目」を優先する設計なので、クッション性よりもスマートさを重視したい人に向いています。
サイズ感まとめ:ややタイトフィットを意識して選ぼう
ローガンは全体的にややタイトな作りです。特に、「足幅が広い人」「甲が高い人」は、通常のスニーカーサイズよりハーフサイズ上げる(+0.5cm)のも一つの手です。
逆に、「足幅が普通~細め」「甲が低め」の人は、スニーカーサイズと同じ、または0.5cm小さめを選ぶとジャストで履ける可能性が高いです。
革は確実に伸びて馴染むので、最初のキツさを怖がりすぎないことが大切です。
G.H.Bassのローガンは以下のショップで購入できます。
【8年間使用レビュー】G.H.Bass ローガンの経年変化を完全公開
ローガンを新品で手に入れたときは、アッパーにしっかりとしたハリがあり、レザーの光沢もピカピカ。
8年も履き続けたローガンですが、驚くべきことに、アッパーとインソールは8年後もかなりきれいな状態です。とはいえ、変化はもちろんあります。
8年後の経年変化
- 型崩れ:ほぼなし
- 履きジワ:甲の部分に少しだけ
- レザーの艶:やや鈍ったが、健在
- ソールの摩耗:レザー特有の擦れ・キズが多数
はずかしながら、8年間ほぼ手入れゼロでした…。それでもこの状態をキープできたのは、さすがG.H.Bassというところ。
【注意】アウトソールの剥がれに要注意
ただし、8年目の後半につま先部分のアウトソールがはがれてしまうトラブルが発生。原因は、ソールの縫い糸がほどけたこと。
ローガンは「マッケイ製法」で作られているため、一度ソールが剥がれると基本的に修理できません。
マッケイ製法とは?
マッケイ製法とは、アッパーとソールを直接縫い付けるシンプルな作り方のこと。
メリットは、「軽い」「返りが良い」「コストが抑えられる」。デメリットは、「ソール交換ができない」「耐久性に限界がある」。
つまり、軽快な履き心地と引き換えに、修理が難しいということですね。
ローガンは何年もつ?実体験からわかったこと
手入れをほぼせず、日常使いで8年履けたというのは、かなり優秀な結果だと思います。もちろん、履き方や頻度によって寿命は変わりますが、
- こまめにクリームで保湿
- 防水ケアをして汚れや雨を防ぐ
- 必要に応じてソールの補強をする
こういったメンテナンスをしていれば、さらに長持ちさせることも十分可能です。
他ブランドのローファーとの比較|ローガンの立ち位置は?
ローガンの価格帯は?
現在、G.H.Bassのローガンの定価は39,600円です。僕が購入した約10年前は、2万円くらいでした。円安や世界情勢の影響で、2倍くらいまで値段が上がっています。
昔は安いイメージでしたが、正直もう安いとはいえない値段まで上がってますね。ただ、値上げしてるのは他のブランドも同じことなので、今の革靴としてはかなり良心的な価格帯と言えます。
もちろん、これよりも安いローファーも存在します。ただし、デザイン・素材・品質・ブランドの歴史を総合的に考えると、ローガンほどバランスの取れたローファーは非常に少ないのが現実です。
実はローガンをお得に購入する方法があるので、後ほどご紹介します。
老舗ブランドと徹底比較
証拠として、G.H.Bassと同じく1800年代後期に創立された老舗ブランドたちと、価格を比較してみましょう。
ブランド名 | 価格 |
G.H.Bass(ジーエイチバス)![]() |
39,600円 |
Crockett&Jones(クロケット&ジョーンズ)![]() |
121,000円 |
J.M.WESTON(ジェイエムウェストン)![]() |
156,200円 |
Alden(オールデン) | 210,100円 |
ご覧のとおり、老舗ブランドはすべて10万円を超えています。
この比較からもわかるとおり、G.H.Bassのローガンは、価格に対して非常にコストパフォーマンスが高い存在だと言えます。
ローガンを選ぶべき人・選ばないべき人
ローガンが向いているのは、こんな人です。
- 本格的なローファーデビューをしたい初心者
- コスパ重視で、品質も妥協したくない人
- クラシックなデザインを長く愛用したい人
逆に、こんな人には向いていないかもしれません。
- 圧倒的な高級感や、極上のフィッティングを求める人
- アウトソールにラバーソールのやわらかさを最初から求める人
- 修理をしながら何十年も履き続けたい人
G.H.Bassのローガンは「気負わずに履ける本格ローファー」といった立ち位置なので、最高級志向の方には物足りない可能性もあります。
G.H.Bass ローガンはどこで買うのがお得?購入情報まとめ
結論からいうと、Amazon・楽天市場
・Rakuten Fashion・
Yahoo!ショッピングなどの大手ECサイトをチェックするのがおすすめです。
理由はシンプルで、以下のメリットがあるからです。
- 割引セールやポイント還元を利用できる
- 正規代理店が出品していることも多い
- 口コミ・レビューが豊富で安心できる
とくにセール時期には、定価の30%オフくらいで買えることもあります。少しでもお得に手に入れたいなら、ぜひ活用してみてください。
まとめ:G.H.Bass ローガンは最高の相棒になる
G.H.Bassのローガンは、時代やトレンドに左右されない普遍的な魅力を持つローファーです。長年にわたって世界中で愛されてきた理由は、単なるクラシックに留まらず、デザイン・汎用性・コスパを両立しているからです。
- 無駄を省いた洗練されたミニマルデザイン
- どんな服にも合わせやすい絶妙なフォルムバランス
- 革靴とは思えない軽快な履き心地
- スタイルを選ばない圧倒的な汎用性
これらすべてが揃っているからこそ、ローガンは革靴初心者だけでなく、ファッション玄人からも愛されているんです。
「迷ったらこれを選べば間違いない」と自信を持って言える、頼れる相棒を探しているなら、G.H.Bassのローガンはまさにその答えになるはずです。気になる方はぜひ履いてみてください。
G.H.Bassのローガンは以下のショップで購入できます。
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