
こういった疑問にお答えします。
実はベージュって、うまく使えば誰でも簡単に「洗練された大人の印象」をつくれる色なんです。でも逆に言えば、ちょっとしたポイントを外してしまうと、一気に「野暮ったい」とか「地味」って思われてしまう危うさもあるんですね。
とくにベージュのワントーンコーデは、おしゃれ初心者の方にとっては難しく感じられるかもしれません。でも、その難しさの正体さえわかっていれば、決して怖がる必要はありません。
この記事では、ファッション色彩のプロ目線で「垢抜けて見えるベージュワントーンコーデの作り方」を、実際のスナップ画像付きでわかりやすく解説します。NGコーデの原因にも触れながら、「なぜこれは垢抜けて見えるのか?」をプロの視点で徹底解説していきます。
それでは早速見ていきましょう。
ベージュのワントーンコーデが難しいと思われる理由
ベージュって、誰でも取り入れやすい色に見えて、実は意外と難しいんです。その理由は大きく分けて2つあります。
① のっぺり&地味見えしやすい
ベージュって、「色味の主張」が少ないですよね。だから上下で同じようなトーン(明るさ)を使ってしまうと、のっぺりと平坦に見えてしまうことが多いんです。
たとえば上下ベージュの組み合わせでも、どちらも黄みの強いライトベージュでそろえると、輪郭がぼやけて見えてしまって「寝巻きみたい」とか「地味に見える」って言われがちなんですね。
例えるなら、白い壁に白い紙を貼っても目立たないのと同じこと。服も、背景(肌や他のアイテム)と同化してしまうと、印象に残らなくなるわけです。
② コーデ全体の軸が作りづらい
ファッションは、シルエット・色・素材など、いろんな要素のバランスで成り立っています。でも、ベージュって「中間色(=はっきりしない色)」なので、強い印象を持つ色がないぶん、全体を引き締める軸が作りにくいんです。
とくにベージュのワントーンコーデでは、白や黒と違って、自然にコントラスト(対比)が生まれにくい。だから、色の濃淡や素材感、シルエットにしっかり意識を向けないと、印象がぼやけたまま終わってしまうんですね。
つまり、「ただ同じ色でそろえる=ワントーン」ではないということです。そこに「立体感」や「ニュアンス」を足してあげるのが、大人のベージュコーデに必要な考え方なんです。
失敗しない!ベージュワントーンコーデの3つの基本原則
「ベージュのワントーンっておしゃれ上級者しか似合わない気がする」
そう感じる人、実は多いんです。でもご安心ください。たった3つのコツを押さえるだけで、誰でも垢抜けて見せることができます。
ここでは、ベージュワントーンを「無難」ではなく「洗練」に変えるための基本原則をご紹介します。専門的な視点も交えてお伝えしますが、誰でもわかるように丁寧に解説するので、初心者の方もぜひ参考にしてください。
① 色の濃淡を意識した「立体感」づくり
ベージュのワントーンで最も重要なのが、「のっぺり見えない工夫」です。
色の濃さにメリハリをつけると、自然と立体感が生まれて垢抜けた印象になります。具体的には、「トップス・ボトムス・アウターの色に明暗差をつける」というのがポイントです。
たとえば、明るいサンドベージュのシャツ × 濃いめのベージュチノパンというように。これは、上半身を明るく、下半身を暗くすることにより、全体の重心が安定し、コーディネートをバランスよく見せる効果があるんですね。
色彩学的にも、明暗のコントラストは奥行きを強調する要素とされており、ファッションの基本としてよく使われるテクニックです。同じベージュでも「薄い・中間・濃い」の3段階で揃えておくと、着回しもしやすくなりますよ。
② 素材感で差をつける
ベージュは色の主張が控えめだからこそ、「素材で魅せる」のが洗練されたコーディネートのカギになります。
たとえば、ウール×コットンやリネン×コットンなど、異なる質感を組み合わせることで、同系色でも立体感や奥行きが生まれます。
具体的にはこうです。
- 秋冬:ウールのニット × コットンパンツ
- 春夏:コットンのシャツ × リネンパンツ
色の差がなくても、素材の違いがコーディネートに奥行きを与えてくれるので、「全身ベージュ=地味」とはなりません。
③ 「白・黒・ブラウン」の効果的な活用術
ベージュのワントーンは統一感がある反面、「ぼんやり見える」「締まりがない」と感じられやすいのも事実です。そんなときに頼れるのが、白・黒・ブラウン系の力。
たとえば、
- インナーの白Tシャツや白スニーカーで抜け感を演出
- 黒のベルト・黒縁の眼鏡・黒の腕時計で引き締め効果
- ブラウン系のシューズ・バッグ・キャップでやわらかく引き締める
このように、「小物で色をほんの少し外に逃がす」ことで、全体にリズムが生まれます。ポイントは、無彩色(白・黒などのモノトーン)やブラウン(ベージュの仲間)でベージュトーンを崩さず、全体の色数を3色以内に抑えること。
特におすすめなのは、「シューズ・インナー・時計」など肌に近い部分を白や黒にすること。視線が集まる顔まわりや足元に色のコントラストを加えることで、自然と清潔感・まとまり感が出てきますよ。
メンズのベージュワントーンコーデ9選【スナップ画像付き】
ここからは、ベージュワントーンコーデを9つ厳選。色味や素材、引き締めポイント、NG回避術まで網羅した完全版です。
① 春のアイビールック:オフホワイト×ベージュ×黒
このコーデは、ロゴスウェット・白シャツ・チノパンのレイヤードで、プレッピーな雰囲気をベースにしています。オフホワイトの古着スウェットは少し色褪せた風合いで、ほどよい抜け感を演出。中に仕込んだ白シャツの襟を見せることで、清潔感と立体感が加わります。
ボトムはスタンダードなベージュチノ。綿100%のツイル素材なので、少し光を反射するマットな質感が上品なんですね。ここに合わせたのが黒のビットローファー。色数を抑えた中で、黒で足元を小さく引き締めるテクニックが効いています。
のっぺり見せないためには、スウェットのゆるさ×シャツのかちっと感のコントラストがポイントです。
② 春の大人キレイめコーデ:ベージュカーキ×くすみイエロー×オフホワイト
カーキベージュのバルマカーンコートを軸にした、大人の春コーデ。コートは高密度のコットン素材で、ハリがありつつも軽やかな印象。そこに、くすみイエローの花柄シャツを合わせることで、上品さと春らしい華やかさを両立。
ボトムは、オフホワイトのワイドスラックス。素材の落ち感とやわらかな色味が、全体を中和してくれています。ブラウンのベルトを使うことで、ベージュトーンのやわらかさを崩さずにメリハリをつけています。
シューズはシャツと同系色のベージュを合わせて、統一感をアップ。
③ 春のキレイめストリート:くすみベージュ×白×黒
くすみベージュのオーバーサイズポロシャツが主役。鹿の子編み特有の凹凸感があり、シンプルでも立体的に見えるのが特徴です。インナーに白のロンTを重ねることで、首元と裾から白を見せて抜け感を演出。
ベージュのチノパンはコットン素材で、ポロシャツとの異素材ミックスが程よい変化を生んでいます。足元には黒のローファーを合わせ、全体を小さく引き締め。ストリートすぎず、でもラフすぎない絶妙なバランスです。
注意ポイントは、全体をゆったりシルエットでまとめること。古臭くなりがちな組み合わせも、オーバーサイズならトレンド感のある仕上がりに。
④ 春の大人カジュアル:アイボリー×白×ベージュ×ブラウン
アイボリーのざっくりカーディガンと白シャツをレイヤード。カーディガンの編み地と白シャツの光沢感が、異素材のコントラストを生み出しています。
パンツはベージュのチノ。全体をやさしいトーンでまとめつつ、足元はオフホワイトの異素材ダッドスニーカーで軽やかに仕上げています。ベージュのバケットハットとブラウンのレザーベルトで、コーディネートに奥行きをプラス。
のっぺりさせないためには、「質感」「小物」「白」の3つがカギです。
⑤ 夏の大人アメトラ:パステルイエロー×ベージュ×黒

ポロシャツ:POLO RALPH LAUREN(古着)、パンツ:AURALEE、シューズ:G.H.Bass、ハット:KIJIMA TAKAYUKI、ベルト:Hender Scheme、ハット:KIJIMA TAKAYUKI
パステルイエローの古着ポロシャツを主役にした、夏らしいアイビースタイル。ポロシャツは鹿の子素材で、表面に凹凸感があり風通しも良好。色も質感も軽やかなので、暑い季節でも爽やかに着られます。
ベージュのチノパンに黒のレザーローファーを合わせ、きちんと感をプラス。黒のベルトと黒の腕時計で足元とのリンクを作り、全体に統一感と引き締め効果を出しています。
失敗しやすいのは、淡いトップスに淡いパンツだけだとボヤけてしまうこと。そこを黒小物で補うと、グッと締まって見えます。
⑥ 夏の大人レイヤード:ブラウン×白×ベージュ×ダークブラウン
ブラウンのロングベストはリネン素材で、シャリっとした清涼感のある風合い。白Tシャツとのコンビネーションで、軽さと立体感を両立しています。
ボトムスはコットンチノ。ベストの縦長シルエットと相まって、縦ラインが強調され、スタイルアップにもつながります。足元はダークブラウンのスニーカーでトーンを合わせつつ、コーディネート全体をやわらかく引き締め。
ベージュコーデでよくある「のっぺり見え」は、こうした縦の視線誘導と濃淡で回避できるんです。
⑦ 秋の大人キレイめスタイル:ベージュカーキ×白×オフホワイト
ベージュカーキのトレンチコートを主役にしたキレイめスタイル。コートは高密度ツイル生地で、微光沢がありながらもマットな風合いが上品。
インナーの白シャツが軽やかなコントラストを生み、チノパンとダッドスニーカーの組み合わせで抜け感も出しています。白シャツの効果で、全体のぼやけを防ぎつつ、視線を引き上げる効果もあります。
秋は色が重くなりがちですが、ベージュトーンに白の分量をうまくコントロールすれば軽やかに仕上がります。春コーデにもおすすめです。
⑧ 秋のベージュトーンコーデ:オフホワイト×白×ベージュ×黒
主役はオフホワイトのチロリアンジャケット。ウール素材のふんわりとした起毛感が秋冬らしい立体感を出しています。中に重ねたバンドカラーシャツは光沢があり、きちんと感も演出。
パンツは定番のベージュチノで、足元は黒のローファー。シャツの白で抜け感、黒のローファーで引き締めというセオリーを踏まえた構成です。
ベージュトーンだけでまとめると、どうしても甘くなりがちですが、「素材感」と「黒」を使えば、落ち着きのある大人な印象に仕上がります。
⑨ 秋の上級レイヤード:ベージュ×ストライプ×白×オフホワイト×ダークブラウン
ベージュのブルゾンに、ブラウン寄りのストライプシャツ、白のタートルネックをレイヤードした、秋の重ね着コーデ。シャツは光沢感のある素材で、ニットは起毛感があるため、異素材のコントラストで奥行きを生み出しています。
パンツはオフホワイトのコーデュロイ。凹凸のある織りで、視覚的なアクセントに。足元のダークブラウンスニーカーは全体のトーンと調和しつつ、控えめに引き締め役もこなしています。
レイヤードが複雑になった分、色数を増やしすぎずトーンでまとめているのが成功のカギです。
まとめ|ベージュワントーンは最高の印象コントロール術
ベージュのワントーンコーデは、ファッション初心者でもかなり挑戦しやすい色使いです。なぜなら、ベージュは他の色と比べてコントラストが控えめながらも、「ブラウン・オフホワイト」など親和性の高い色が豊富だから、多少色味選びでミスしても大きく失敗しにくいんです。
でも、ただベージュを上下に合わせるだけだと、どうしても「地味」「のっぺり」「部屋着っぽい」といったマイナスの印象になってしまいがち。おしゃれに見せるには、3つの要素(濃淡・質感・シルエット)を意識することがとても大切です。
- 濃淡(トーン)を使い分けて立体感を出すこと
- 異なる素材を掛け合わせて奥行きをつくること
- 白・黒・ブラウンの小物でバランスを取る
この3つさえ押さえておけば、ベージュのワントーンコーデは一気に洗練された印象になります。むしろ、他の人と差がつく「こなれた着こなし」に近づくはずです。あとは、自分のキャラや気分に合ったアイテムを選べばOK。
「地味」と言われがちな色こそ、工夫次第で一番おしゃれに見える。ベージュワントーンは、まさにそれを体現するコーデ戦略。ぜひ今回ご紹介したコツを活かして、あなたらしい理想のワントーンスタイルを完成させてみてくださいね。
それではまた別の記事でお会いしましょう。
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