スニーカーの定番といえば、やっぱり『スタンスミス』。シンプルでどんな服にも合うし、ずっと定番。でも、いざ買おうとするとこんな疑問が出てきませんか?
- ABCマート版のスタンスミスってなんで安いの?
- オリジナル版(本家)と何が違うの?
- ABCマート版ってダサい?
オリジナル版に比べると安いので、一見するとお得な買い物に見えますよね。でも、安い=コスパがいいとは限りません。デザインがダサい、素材が悪い、耐久性が悪いなど、「安かろう悪かろう」のパターンだとしたら逆に損です。安さに惹かれて買ってみたら、数年でボロボロになって後悔した……なんてこと、絶対に避けたいですよね。
そこで今回は、ABCマート版スタンスミスを6年間履きつぶしてきた実体験をもとに、オリジナル版との決定的な違いや、6年後の経年変化を徹底解説。「本当に買ってよかったのか?」「合皮でも育つのか?」というリアルな視点から、合皮スニーカーの限界と可能性について、どこまで信じていいのかがわかる内容になっています。
さらに、サイズ感のレビューも写真付きでご紹介。「ABCマート版とオリジナル版、どっちを選べばいいの?」と悩んでいるなら、この記事を最後まで読むことで、後悔しないスタンスミス選びができるようになるはずです。
それでは早速見ていきましょう。
ABCマート版のスタンスミスはなぜ安い?基本スペック早見表
ABCマート版とオリジナル版(adidas本家)の違いを簡単にまとめると、以下のとおり。
比較項目 | ABCマート版 | オリジナル版(adidas公式) |
---|---|---|
価格帯 | 10,890円~12,100円 | 約13,200円 |
素材 | 合成皮革が基本(一部、合皮と天然皮革併用) | アッパーもライニングも天然皮革 |
デザイン | 素材の質感が合皮っぽく、ややチープな印象 | 本革なので質感がいい |
市場でのポジション | コスパのいい劣化版モデル | 本家adidasの定番モデル |
このように、ABCマート版のスタンスミスは、オリジナル版よりも約1,100円~2,300円安いです。なぜか?最大の理由は「素材」の違いです。ABCマート版は合皮、オリジナル版は本革でできています。
合成皮革(シンセティックレザー)は、ポリウレタン樹脂や塩化ビニルを布地にコーティングして作られます。大量生産が可能で、均一な品質を保ちやすく、原価は天然皮革のおよそ1/3〜1/5程度に収まります。
一方、本革は「動物の皮を鞣(なめ)す」という工程が必要。ここに時間と技術がかかるうえ、天然ゆえに部位ごとに個体差があり、使える部分の割合が下がるため、コストが跳ね上がります。
一見同じスニーカーでも、素材の段階で2〜3倍のコスト差が生まれるんです。
ABCマート版とオリジナル版スタンスミスとの違い【写真で比較】
ABCマート版とオリジナル版スタンスミスは、デザインだけで見ればパッと見はかなり似ています。街中ですれ違う程度では、正直ほとんど見分けはつきません。だからこそ「安い方でもいいんじゃない?」と思う人も多いはず。でも、細かく見ると決定的な違いがあるんです。
① アッパーの質感の違い
最も大きな差は「素材の質感」です。
ABCマート版 → 合成皮革(シンセティックレザー)

ABCマート版スタンスミス(出典:ABC-MART Yahoo!店)
表面が均一でフラットに仕上がっているぶん、新品時はピカピカの白さが際立ちます。けれど近くで見ると、どこか「プラスチックっぽい光沢」があり、革ならではの深みが感じにくいのが特徴。履き込んだ時のシワ感など、どうしても「安っぽさ」が出やすいんです。

ABCマート版スタンスミス(出典:ABC-MART Yahoo!店)
オリジナル版 → 天然皮革(フルグレインレザー)

オリジナル版スタンスミス(出典:adidas公式オンラインストア)
こちらは表面に自然な凹凸があり、光の反射がやわらかい。手に取るとしっとり感があり、靴全体に奥行きが生まれています。履き込むごとにシワの入り方に個性が出て、エイジング(経年変化)を楽しめるのも大きな魅力です。

オリジナル版スタンスミス(出典:adidas公式オンラインストア)
たとえるなら、合皮は「コピー用紙の白」、本革は「和紙の白」。遠目では同じ白でも、近くで見ると質感の奥行きが違います。
② ロゴ表現の違い
もうひとつの違いが「ロゴ」のディテールです。
シュータンのスタンスミスの肖像画など、基本的なロゴデザインはどちらも同じ。
ただ、唯一の差がヒールのトレフォイル(三つ葉ロゴ)の「Rマーク」。オリジナル版には、トレフォイルロゴの横に「®」マークが入っています。これは「商標登録済み」であることを示しています。ただ、ABCマート版にはRマークは入ってません。

ABCマート版スタンスミス(出典:ABC-MART Yahoo!店)

オリジナル版スタンスミス(出典:adidas公式オンラインストア)
この差は、デザイン的には微細。正直、近づいて凝視しないと気づかないレベルです。ただし、ブランドマニアやスニーカーヘッズにとっては見逃せないポイントかもしれません。いわば「本家の証明書」のような役割ともいえます。
その他の違いはほぼなし
意外かもしれませんが、サイドの3本ライン(パンチング)やステッチ、アウトソールなどはほぼ同じ。ABCマート版でも十分に「スタンスミスらしさ」は味わえるようになっています。

ABCマート版スタンスミス(出典:ABC-MART Yahoo!店)

オリジナル版スタンスミス(出典:adidas公式オンラインストア)

ABCマート版スタンスミス(出典:ABC-MART Yahoo!店)

オリジナル版スタンスミス(出典:adidas公式オンラインストア)
参考
実は、本家adidasには、定番のスタンスミスよりもさらに高級な最上位モデル『スタンスミスLUX』があります。LUXとの違いについては、『【徹底レビュー】スタンスミスLUX(ラックス)のサイズ感・コーデ』の記事で詳しく解説してるので、興味のある方はあわせてご覧ください。
オリジナル版にも合皮モデルは存在していた

STAN SMITH PRIMEGREEN(出典:adidas公式オンラインストア)
ここまで読んで「なるほど、ABCマート版は合皮で、オリジナル版は全部本革なのね」と思った方も多いはず。でも実は、本家のオリジナル版にも合皮を採用したモデルが「存在していた時期がある」んです。
adidas公式オンラインストアの商品ページをよく見ると、各モデルの詳細欄に「アッパー素材」や「ライニング素材」が必ず記載されています。そこに「合成皮革」と明記されていたスタンスミスも、過去には販売されていました。その合皮モデルは、デザインも価格帯もABCマート版とほぼ同じです。
2025年時点のadidas公式オンラインストアに並んでいるスタンスミスは、すべて天然皮革(本革)モデルのみ。合皮スタンスミスは姿を消しています。ですが、今後オリジナル版でも合皮モデルが出る可能性はあります。
というのも、数年前には「STAN SMITH PRIMEGREEN(スタンスミス・プライムグリーン)」 というシリーズも展開されていました。これは合皮とは別物で、ペットボトルなどのプラスチック廃棄物を再利用した再生ポリエステル(リサイクル素材)だけで作られた、いわば「ヴィーガン仕様」のスタンスミスでした。
adidasは当初「2024年までにすべてのモデルをこのサステナブル素材に切り替える」と宣言していたんですが、実際には現在その動きは止まっているようで、今はほとんど見かけなくなっています。
ABCマート版のスタンスミスはダサい?
Googleで「スタンスミス ABCマート」と検索すると、関連キーワードに「ダサい」という言葉が出てきます。これは「ABCマート版のスタンスミスってダサいのかな?」と、多くの人が疑問に思っている証拠です。
じゃあ、実際のところどうなのか?
結論:ダサくはない
まず結論から言うと、ABCマート版だからといってダサいわけではありません。なぜなら、デザイン自体はオリジナル版とほぼ同じだからです。パッと見で区別できる人は少ないです。
ただし、一部の人が「ちょっと安っぽい」と感じるのは事実。その理由はやはり「素材の違い」にあります。
合皮の安っぽさがダサい
ABCマート版は合皮を使用しているので、どうしても高級感が出にくいです。普段履きならほとんど気にならないかもしれませんが、ファッションに敏感な人や上級者の目には「雰囲気の違い」として映りやすいです。
ただ、これは「本革のほうがかっこいいのに…」という感覚であり、見た瞬間に「ダサい」と感じるわけではありません。
履きつぶすとダサく見えやすい
もうひとつ注意すべきは「経年劣化」。本革なら、シワや色味の変化が「味」として見えますが、合皮の場合はシワやひび割れが「劣化」に見えてしまうんです。
つまり、同じように履き込んでも、合皮モデルは「ボロく見える」可能性が高いというわけ。これはスタンスミスに限らず、合皮スニーカー全般の宿命と言えます。
じゃあ、ABCマート版はどんな経年変化が表れるのか?次の章で、「実際に6年間履いた合皮モデルの経年変化」を写真付きで公開していきます。
ABCマート版(合皮)スタンスミスを6年間履いた経年変化レポート
僕自身、スタンスミスは本革版と合皮版の両方を合計10年以上履きつぶしてきたんですが、ここでは特に「ABCマート版と同じ合皮モデル」を約6年間履いたリアルな経年変化をお見せします。
ソールの減り方
平日はほぼ毎日履いていたので、6年も経つとさすがにソールは全体的に擦り減っています。
特に顕著なのが「かかと部分」。横から見ても段差ができるほど削れてしまいました。つま先もかなり削れ、歩行時の接地癖がそのまま形になっているのが分かります。
アッパーの質感変化
次に目立つのはアッパー。
細かい擦り傷や黒ずみ汚れが全体に広がり、白スニーカー特有の「清潔感」は失われています。甲の部分やかかと周りには深いシワが入り、サイドもヨレて型崩れを起こしています。
「本革なら履きジワが味に見える」のですが、合皮だとただ安っぽく劣化しているように見えてしまうんですよね…。
もちろん「傷だらけの靴=自分の歴史」としてポジティブに捉える人もいますが、合皮モデルの経年変化は「ボロく見える」と感じる人の方が多いはず。あなたはどう思いますか?
スタンスミスは何年履ける?耐久性と寿命のリアル
僕のケースでは平日ほぼ毎日履いて約6年で完全に寿命。ただ、これはかなり酷使した例なので、履く頻度を落とせばもう少し長持ちするはずです。
とはいえ、見た目やソールのすり減り具合を考慮すると、旧ABCマート版のような合皮モデルは寿命5年以下を目安に考えるのが妥当でしょう。
修理できる?買い替えタイミングは?
合皮の弱点は「修理しても意味がない」点です。ソール交換したとしても、アッパー自体が劣化してしまうので、復活させることはできません。つまり、長く愛用するより「ガシガシ使って割り切って買い替える」のが正解。
もし「いい味を育てたい」と思うなら、やはりオリジナル版の本革スタンスミスがベストです。履き込むほど革の深みが増し、シワや汚れさえも味として楽しめます。
ABCマート版スタンスミスのサイズ感と履き心地
ABCマート版とオリジナル版のスタンスミスでは、サイズ感に違いはあるのか?疑問に思う人もいるはず。ここからは、合皮モデル(ABCマート版スタンスミスと同様)のサイズ感や履き心地について解説していきます。
筆者の足の実寸とスニーカーサイズ一覧
まずは僕の足のサイズと、普段履いているスニーカーとの比較表をご覧ください。
ブランド名 | モデル名 | 着用サイズ(cm) |
CONVERSE | ALL STAR(オールスター) | US9(27.5cm) |
adidas | SUPERSTAR 82(スーパースター82) | 27.5 cm |
adidas | SAMBA(サンバ) | 27.5 cm |
adidas | GAZELLE INDOOR(ガゼルインドア) | 27.5 cm |
new balance | 2002R | 27.5 cm |
new balance | 993 | 27.5 cm |
new balance | 997 | 27.5 cm |
810s by MOONSTAR | STUDEN(スチューデン) | 27.0cm |
810s by MOONSTAR | KITCHE(キッチェ) | 27.0cm |
KLEMAN | PADRE(チロリアンシューズ) | 42(27.0〜27.5cm) |
G.H.Bass | LOGAN(ペニーローファー) | US9(27.0cm) |
項目 | 筆者の足のサイズ |
足長 | 26.7cm |
靴の推奨サイズ(足長から+0.5cm) | 27.5cm |
足幅 | ふつう |
土踏まず | なし(偏平足) |
甲の高さ | 低い |
かかと幅 | 広い |
約7割が27.5 cm。ときどきハーフサイズ上げる、下げる、というバランスです。
ABCマート版のサイズ感のリアル
合皮版スタンスミスは、27.0cmでジャストフィットでした。オリジナル版(本家) と体感ではほぼ同じサイズ感です。ちなみに、スタンスミスLUXは27.5cmで、ややゆとりありのあるサイズ感で履いています。
つまり、基本的に普段のサイズか、0.5cm下げるくらいがちょうどいいと考えるのがベストです。
- フィット感を重視する人 → 0.5cm下げる
- ゆとりをもって履きたい人 → 普段のサイズでOK
履き心地は「クラシックなスニーカー」そのもの
履き心地に関しては、ABCマート版とオリジナル版で大きな差はありません。そもそもスタンスミスは1970年代から続くクラシックなスニーカーで、最新のクッション素材やハイテクなソールを使っているわけではないんです。
- ソールの厚み → サンバやガゼルより厚いので、地面の衝撃はある程度吸収してくれる
- クッション性 → ニューバランスのような快適さや足を包み込むフィット感は期待できない
- 全体の印象 → 「可もなく不可もなく、必要十分」
ネット上の口コミを調べると、「合皮よりも本革やLUXの方が足馴染みがいい」「履き心地を重視するならLUX一択」といった声も目立ちます。
ABCマート版スタンスミスのコーディネート例
最後に、合皮モデル(ABCマート版)のスタンスミスを使ったコーディネート例をご紹介します。
ABCマート版スタンスミスの春夏コーデ
ブルーのストライプシャツの袖をロールアップして抜け感とこなれ感を取り入れたコーデ。パンツはシャツと同系色のダークネイビーで暗めに合わせつつ、重くならないように白のスタンスミスでさらに軽快な印象を演出しています◎
ABCマート版スタンスミスの秋冬コーデ
「黒×白」のモノトーンベースでまとめつつ、ニットやデニムシャツを重ねて大人っぽさを演出。スタンスミスの白が、ダウンの重さを軽やかに中和してくれます。
ABCマート版スタンスミスのビジネスカジュアルコーデ
スタンスミスはシンプルで上品なスニーカーなので、ビジネスカジュアルの定番シューズとしても活躍。白スニーカーはグレーなどの淡い色と合わせると悪目立ちせずマッチします。黒のスタンスミスなら革靴感覚でよりビジネスシーンに馴染みやすく、本革モデルを選べばさらにドレスライクに仕上がります。
まとめ:ABCマート版とオリジナル版スタンスミス|どっちを買うべき?
ここまで読んでくださったあなたなら、もう「自分に合うスタンスミスはどっち?」とイメージできているはずです。最後に比較表と選び方を整理しておきますね。
項目 | ABCマート版 | オリジナル版(本家adidas) |
---|---|---|
素材 | 合成皮革 | 本革(LUXは最高級レザー) |
価格帯 | 10,980~12,100円 | 約13,200〜19,800円 |
経年変化 | 劣化(シワ・傷) | 味が出る(革が育つ) |
耐久性 | 約3〜5年 | 約5〜10年 |
デザイン | ほぼ同じ、安っぽい。 | ほぼ同じ、高級感あり。 |
通販サイト | ![]() |
adidas公式オンラインストア |
長所・短所の要点
- ABCマート版 → 安い・買いやすい・雨でも気軽に履ける。ただし素材感と耐久性に劣る。
- オリジナル版 → 高級感・経年変化を楽しめる・長持ちする。ただし価格はやや高め。
- 結論 → 「コスパで割り切るか」「長く愛用するか」で選ぶのがベスト。
予算別/用途別おすすめモデル
- 雨用・仕事用(消耗前提) → ABCマート版
- 街履き・休日コーデ(おしゃれ重視) → オリジナル本革版
- とりあえず試したい初心者 → まずはオリジナル版、その後LUXへステップアップ
6年間、合皮のABCマート版を履きつぶした正直な感想。 「気軽に履けるけど、長く付き合うなら物足りない」 というのが本音です。一方でオリジナル本革版は、履けば履くほど味が出て「育つ楽しさ」があります。
つまり、短期的に割り切るならABCマート版、長く愛用して自分の相棒に育てたいならオリジナル版。この2択で考えれば、失敗しません。
もちろん、最後にどれを選ぶかはあなたの自由。この記事をここまでご覧いただいたあなたなら、きっと「自分に合った一足」を手に入れる準備はできているはずです。
参考
ちなみに、僕が一番おすすめしているのは、ABCマート版でもなく本革版でもなく、高級本革を採用した最上位モデル『スタンスミスLUX』です。詳しいレビューは、『【徹底レビュー】スタンスミスLUX(ラックス)のサイズ感・コーデ』で解説しているので、ファッションへのこだわりが強い方はぜひ参考にしてください。
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